【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第2章 【WelcomeToTheVillains'World】中編
エース
「クールだよな〜。……どっかの狸と違って」
ユウ
「えっ」
グリム
「ふな゙っ!?」
さっきまでは人懐っこそうに笑ってたのに、今のエースは嘲笑うような顔でグリムと私を見下してくる。
エース
「プッ……あははっ!もう堪えるの無理だ!あはははは!」
ユウ
「!」
と思ったら爆笑し始めた。
腹を抱えて笑うエースを見て、私は唖然となる。
あ……からかわれたんだ。
エース
「なあ、お前ら昨日入学式で暴れてた奴らだろ?闇の鏡に呼ばれたのに魔法が使えない奴と、お呼びじゃないのに乱入してきたモンスター」
ユウ
「……そうだけど」
性別がバレないようにと感じてた緊張、割とカッコイイ男子に話しかけられたドキドキ感、友好的な人だと思ってた安堵……
私の中で、それらが一気に冷めていく。
エース
「やー、入学式では笑い堪えるの必死だったわ」
グリム
「なぬ!?しっ、失礼なヤツなんだゾ!」
エース
「で、結局入学できず2人して雑用係になったわけ?はは、だっせー」
グリム
「にゃにおぉおう……!?」
ユウ
「………はぁー」
私は返事する代わりに、一つ溜息をついた。
エース
「しかも『グレート・セブン』も知らないなんて、どんだけ世間知らずなんだよ。ナイトレイブンカレッジに来る前に、幼稚園からやり直すのをオススメするわ」
石像の偉人達はグレート・セブンと呼ばれてるらしい。
エース
「ぷくく……」
グリム
「ぐぬぬぬぬぬ………」
ユウ
「グリム、落ち着いて。怒ることないよ」
雑用係をするって決まった時から、こうやって馬鹿にされることは覚悟してたし、それに……
ユウ
「僕が魔法を使えないのは事実だし、グリムがモンスターってことも事実。別に悪口言われたわけじゃないんだから」
グリム
「オレ様たち馬鹿にされたんだゾ!」
私は蹲み込んでグリムの耳元に口を寄せた。