【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第2章 【WelcomeToTheVillains'World】中編
右側真ん中に立つ石像の女性は、下半身がタコの足になっていて、ハートの女王と同じくらいふくよかな体型。
エース
「彼女の手にかかれば、叶わない願いはなかったらしいよ。ま、お代はちょっと高かったって話だけど。なんでも叶うってんなら、当然だよね」
ユウ
「お代が気になり過ぎる」
グリム
「にゃっはー!つまりオレ様も大魔法士になればリッチになれるってことか!?」
リッチって……不純な動機だこと。
グリム
「じゃあじゃあ、このでかい帽子のおじさんは?」
エース
「砂漠の国の大賢者。間抜けな王に仕えてた大臣で、王子と身分を偽って王女を誑かすペテン師の正体を見破った切れ者!」
中東風な格好をした男性の石像は、コブラを象った杖を持ってるのが特徴的。
エース
「その後、魔法のランプをゲットして世界一の大賢者にまでのし上がった!さらには、その力で王の座まで手に入れたんだって」
グリム
「ほほぅ!やっぱ魔法士には人を見る目も必要ってことだな!」
ユウ
「でも、それってつまり……」
仕えてた王様を裏切った、ってことだよね!?
グリム
「おおっ、コッチの人は美人だゾ!」
グリムが一際食いついた女性の石像は、確かに目を惹く美貌の人だった。
グリム
「これは、世界一美しいといわれた女王。毎日魔法の鏡で世界の美人ランキングをチェック!んで、自分の順位が1位から落ちそうになったらどんな努力も惜しまずやったって話」
魔法の鏡って、闇の鏡とはまた違うのかな?
エース
「世界一の美を保つことへの意識の高さっつーの?ハンパないよね。あと、毒薬作りの名手でもあったらしーぜ」
ユウ
「不穏ワード」
グリム
「キ、キレーだけどおっかねえんだゾ……」
エース
「そお?譲れないこだわりがあるのは、カッケーじゃん」
グリム
「た、確かに、一本芯が通ってるのは、カッケーな!」
ライバルを毒殺した可能性が否めないんだけど!
グリム
「向こうの頭が燃えてる男は?見るからにコエーんだゾ」