【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第2章 【WelcomeToTheVillains'World】中編
ユウ
「何でまだゴースト達がいるの?」
グリム
「オマエ……オレ様に謝れ!」
ユウ
「何で!?」
グリム
「いいから謝るんだゾ〜!!」
ユウ
「ええええ……ご、ごめん?なんかごめん!」
グリムとユウのやり取りを見て、ゴースト達は愉快そうに笑うのだった。
◇◆◇◆◇◆
【HEROINE side】
ゴースト達は性懲りもなく、またこの寮に現れた。
まあ、ずっと前から住んでたなら、ここが彼らのテリトリーなわけで……むしろ私達の方がお邪魔してる感が否めない。
ゴーストA
「お前たち、今日からここに住むんだって?悪戯しがいがあるってもんよ。ケッケッケ!」
ユウ
「お供物するんで、悪戯は勘弁して下さい」
グリム
「くそー。いつか追い出してやるんだゾ!」
ムシャムシャとパンを食べながら、グリムはゴースト達を威嚇する。
さて、今は朝7時ちょっと前だけど、学園長はいつ来るのかな?
クロウリー
「おはようございます、2人とも」
と思ったら、その学園長が、小気味良く靴音を鳴らしながらやって来た。
クロウリー
「よく眠れましたか?」
グリム
「ベッドに寝そべったら底が抜けてびっくりしたんだゾ!」
この寮で一番広い部屋を最初は使おうとしたけど、グリムが言う理由で今の部屋を使うことになった。
ちなみに壊れたベッドはそのまま……またそのうち片付けなきゃ。
グリム
「どんだけオンボロのまま放置してたんだ?朝もゴーストに起こされるし最悪なんだゾ!」
ユウ
「私も、あまり……」
クロウリー
「はいユウさん!一人称は私から僕か俺に変えましょう。男性で私を使う方も珍しくはありませんが、そちらの方が男らしい」
ユウ
「んー、じゃあ僕にします」
そうだった……男のフリしなきゃいけないんだった。
クロウリー
「こちらが制服です」
ユウ
「ありがとうございます」
クロウリー
「おや?……少し目が赤くなっていますね」
顔を覗き込まれ、仮面越しに学園長と目が合う。
ユウ
「えっと、私……じゃなくて僕、ベッドってあまり使ったことなくて……昨日は中々寝付けなかったんです」