【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第9章 【荒野の反逆者】中編
ケイト
「サバナクロー寮のジャック・ハウルくん。1年生。運動神経抜群で、ありとあらゆる運動部からスカウトが殺到してるって噂」
次のターゲット候補は、サバナクロー寮の人か……そういえば、サバナクローは大会優勝常連なんだっけ。
デュース
「この時間なら、もう寮に戻ってるかもしれないな」
ユウ
「そうだね」
リドル
「ああ、もう5時か。ハートの女王の法律・第346条『午後5時以降は庭でクロッケーをしてはならない』」
ハートの女王の法律、なんか久しぶりに聞いた気がする。
リドル
「ボクは、一旦寮に戻るよ。目を離すと、ルール違反をするヤツがいるからね」
グリム
「ちったぁ丸くなったかと思ったのに、相変わらずなんだゾ」
リドル
「うっ」
ユウ
「グリム!」
そこツッコまなくていいから!
リドル
「……こ、これでもだいぶ、かなり、ルールを緩くしてるつもりだけど」
リドルくんがチラッと私に目を向ける。
私は、グリムの口を押さえながら慌てて首を縦に振った。
ユウ
「暗いところでクロッケーしたら危ないもんね!暗くなる前にやめるのが正しいよね!」
多分そういう話じゃないけど、今はリドルくんが落ち込まないように肯定しておく!
ユウ
「厳しいのは悪いことじゃないし、今のリドルくんはそれ以上に相手を思い遣ってる。だから、大丈夫!何も間違ってないよ」
ケイト
「うんうん。ユウちゃんの言う通り、前よりかなーり優しくなったよね。真面目なところも、リドルくんのいいとこだよ♪」
私とケイト先輩の言葉を聞いて、リドルくんは表情を明るくした。
しっかり者のリドルくんでも、他人の言葉に一喜一憂してしまうのは、それだけこの前の一件がショックだったってことだよね。
ケイト
「ってわけで、頑張ってねリドルくん」
リドル
「ああ」
リドルくんは踵を返して、鏡舎へと歩き出す。
エース
「んじゃ、オレたちはサバナクロー寮に行ってみよっか」
ユウ
「……あ!」
リドルくんに言い忘れてた!
「「「「?」」」」
不思議そうな顔をするグリムたちをそのままに、私はリドルくんを追いかける。