【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第9章 【荒野の反逆者】中編
ジェイドに返事をし、フロイドは踵を返して歩き出す。
もう一度、頭の中にユウの姿を思い浮かべながら………
『僕、背の高い人が苦手で……』
フロイド
「ぜってーウソじゃん」
彼は低く呟いた。
◇◆◇◆◇◆
【HEROINE side】
中庭から本校舎を駆け抜けた私たちは、メインストリートまで戻ったところでようやく落ち着くことが出来た。
ユウ
「ゼー、ハー……あ、足が痛い……」
リドルくんもケイト先輩も容赦なく引っ張るんだもんな……
グリム
「はあ、はあ……怖かったんだゾ。なんなんだ、アイツら?」
リドル
「ボクに聞かないでくれ。1年の頃から、あの2人は得体が知れなくて苦手なんだ」
息を切らしながら顔を顰めるリドルくんを見て、ケイト先輩も苦笑いを浮かべる。
ケイト
「あの2人は、攻撃したら報復が怖そうなカンジだね」
エース
「オレなら狙わないかな」
うーん、確かに怖そうではあったけど……
ユウ
「でも、変に疑われるくらいなら、きちんと事情を説明した方が良かったんじゃ……」
ケイト
「普通ならそうだねぇ……でも、あの2人には、そういう学園で起きた問題とかワケありな事情とか、知られない方が良いんだよ」
ユウ
「?」
意味が分からず首を傾げてると、ケイト先輩は「そのうち説明してあげる」と言って私の頭をポンポンと叩いた。
“あの2人には”……って、どういう意味なんだろう?
私としては、ターゲット候補であることに変わりはないんだから、ジェイド先輩とフロイド先輩にも事情を話して、大会まで注意してもらった方が良いと思うんだけど……
ケイト
「じゃあ、そろそろ日が暮れそうだし、次は本日最後のけーくんチェック」
スマホを取り出しながら、ケイト先輩はあの2人から話題を逸らした。
ユウ
「………」
これ以上は聞いても答えてもらえない気がして、私は口を閉じる。
リドルくんも何も言わないってことは、ケイト先輩と同意見ってことなのかな……
私は、チラリとリドルくんを横目で見ながら、引っ張られて赤くなった手首を撫でた。