【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第9章 【荒野の反逆者】中編
フロイド
「何で隠れてたわけ?」
じっと、フロイド先輩が私を見つめてくる。
金色と海松色の左右で異なる色の瞳……睨まれてるわけじゃないのに、何故か悪寒のようなものが私の体を走った。
ユウ
「えっと……」
とりあえず、事を荒立てないようにしなくちゃ……
ユウ
「僕、背の高い人が苦手で……リドル先輩はそれを知ってたから、咄嗟に庇ってくれたんです」
私はリドルくんの背中越しに、フロイド先輩を見返した。
ユウ
「失礼な真似をして、すみません」
フロイド
「……ふ〜〜ん」
目を逸らしたらダメな気がして、私は数秒間フロイド先輩と見つめ合う。
ジェイド
「──おや、ハーツラビュル寮の皆さんお揃いで」
そこへ、もう1人のターゲット候補、ジェイド先輩が歩み寄ってきた。
フロイド先輩の視線が外れて、私はホッと息を吐く。
こ、怖かった……
ジェイド
「こんなところでコソコソと、一体何をされていたのでしょう?」
ジェイド先輩は、この場にいる顔触れを見回して、にこりと微笑んだ。
ジェイド
「もしや、マジカルシフト大会に向けての敵情視察ですか?」
ユウ
「ち、違います!」
ここで敵認識されるのはマズい!
ケイト
「えーと、これには色々とワケが……」
ジェイド
「スパイ行為を見逃すわけにはいきませんねぇ。何故僕たちを監視していたのか、理由を詳しくお聞かせ願えますか?」
エース
「コイツ、物腰は穏やかだけど、全然目が笑ってない……」
ユウ
「あのっ、先輩たちを見てたのは確かなんですけど、別に敵意があるわけじゃなくて……!」
ちゃんと説明しようと、私は一歩前に出た。
ガシッ
ユウ
「!」
それを防ぐように、リドルくんとケイト先輩がそれぞれ私の腕を掴む。
ケイト
「とにかく、お邪魔しました〜っ!」
そのまま、脱兎の如く走り出した。
ユウ
「え、ええ!?」
当然私も引っ張られて、ジェイド先輩たちに背を向ける形になる。
ユウ
「な、何で!?」
何で逃げるの!?