【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第9章 【荒野の反逆者】中編
リドル
「フ、フロイド。ボクのことを変なあだ名で呼ぶのはやめろと何度言わせるんだい?」
リドルくんは、フロイド先輩を前に表情を引きつらせてる。
理由は分からないけど、フロイド先輩のことがよっぽど苦手なんだなぁ……
フロイド
「だって、小さくて赤いのって、金魚でしょ?」
グリム
「なんか変なヤツなんだゾ」
失礼なこと言わないで!
フロイド先輩が、リドルくんからグリムに視線を移す。
フロイド
「わー、しゃべる猫だ!おもしろ〜い」
グリムを見つけて笑ったフロイド先輩は、グリムのそばに屈み込んで長い腕を伸ばした。
フロイド
「ねえねえ、ギュッて絞めていい?」
グリム
「し、しめる!?やめるんだゾ〜!」
グリムは、その腕から逃れるようにエースとデュースの後ろに隠れる。
しめる?……抱きしめるって意味かな?
何だか不穏な感じがしてしまうのは、私がフロイド先輩の雰囲気を怖いと思ってしまってるからだろうか。
フロイド
「…………」
少し間を置いて、フロイド先輩が再び立ち上がる。
リドル
「フロイド、僕らは今用事があって忙しいんだ。キミは──」
フロイド
「あ〜〜〜〜!」
リドルくんの声を遮って、フロイド先輩が大きな声を上げた。
ガシッ
リドル/ユウ
「!」
ヒッ!?
リドルくんの横を通すように、フロイド先輩が長い腕を伸ばして、その手でベンチの背凭れを掴む。
ヤバッ……と思った時には遅くて、フロイド先輩にベンチを上から見下ろされてしまう。
私とフロイド先輩の視線が、バッチリ交わった。
フロイド
「あはっ、なんか隠れてる子がいる〜〜〜」
見つかった……!
フロイド
「ねーねー、金魚ちゃん。その子だぁれ?」
リドル
「き、キミには関係ないだろう!?」
リドルくんが庇ってくれてるけど、さすがにもう隠れてるわけにはいかないから、私はその場から立ち上がった。
どうしよう……どう言い訳しよう!?