【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第8章 【荒野の反逆者】前編
私は、学園長から頼まれた調査と、事故について今まで調べたことをリドルくんたちに話した。
リドル
「なるほど、学園長がそんなことを……」
ケイト
「やっぱね。ユウちゃん、さっきトレイくんの部屋でコワイ顔してたし、何かあると思った」
ユウ
「え!そ、そんな顔してました?」
ケイト
「うん。折角のカワイー顔が台無しだよ〜」
なんて軽口を言いながら、ケイト先輩が私の頬をつついてくる。
さっき犯人に怒ったこと、気付かれてたと思ったらなんか恥ずかしくなってきた……トレイ先輩には気付かれてないといいんだけど。
リドル
「実は、ボクも何か変だと思って、すぐケイトに情報を集めてもらっていたんだ」
ケイト
「そしたら、怪我してるのがリドルくんやトレイくんみたいな有力選手候補ばかりってことがわかってさ」
ユウ
「えっ」
行動はやっ!
リドル
「確かに、ボクはあの時、足をかけられたり背中を押されたりはしていない。でも……なんていうか、身体が勝手に動いたような感覚があった」
グリム
「他の怪我したヤツも似たようなこと言ってたんだゾ!」
『気付いたら階段から落ちてたっていうか』
『何故か気付いた時には鍋を素手で掴んでいたんだ』
リドルくんが、一つ頷いて答える。
リドル
「故意に選手候補を狙った犯行とみていいと思う」
エース
「マジカルシフト大会でライバルを減らすために、強そうな選手を狙って事故らせてるってこと?」
リドル
「世界中が注目する大会だ。試合での活躍が将来のキャリアに繋がる以上、手段を選ばないヤツがいても不思議じゃない」
“そんなこと”の為なんかに……
大会に真剣なグリムたちの前では言えないけど、私は犯人の動機を“下らない”と思ってしまった。
ケイト
「んー。にしても、不思議だね。風の魔法で後ろから押されたりしたワケじゃないんでしょ?」
リドル
「うん。衝撃で落ちたわけじゃない」
ユウ
「近くに誰か居たりは……」
リドル
「昼休憩だったから、周囲に他の生徒は何人かいたけれど、ボクの近くにはトレイ以外には居なかったよ」
事故は、いずれも被害者が誰かと一緒にいる場面で起こってる……これも多分、事故と見せかけるため。