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【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!

第8章 【荒野の反逆者】前編


トレイ
「そりゃ、怪我した時は痛かったが……痛み止めも飲んだし、今は何ともない」


痛いですか?って馬鹿か私は!骨折なんて痛いに決まってるじゃん!!


トレイ
「心配かけて悪かったな。でもまぁ、俺は大丈夫だよ……だから、そんな顔するな」


トレイ先輩が私に手を伸ばそうとするのを見て、私は自分からトレイ先輩のそばに寄った。


ユウ
「僕、ひどい顔してますか?」


トレイ
「少しな」


からかうように笑いながら、トレイ先輩が私の頭を撫でる。


うーん……怪我してるの先輩の方なのに、なんか私が慰められる形になっちゃった。


申し訳ない気持ちもあったけど、トレイ先輩のお陰で私は少し気を落ち着けることが出来た。


グリム
「よっと」


グリムが、ピョンと私の肩からトレイ先輩のベッドの上に飛び移る。


グリム
「かすり傷だったら渡すのやめようと思ってたけど……コレ、見舞いのツナ缶」


オンボロ寮から持って来ていたツナ缶を、トレイ先輩に手渡した。


グリム
「元気出すんだゾ、眼鏡」


トレイ
「はは、ありがとな」


あの食い意地張ってるグリムが、大好物のツナ缶をあげるなんて……!


ジーンと感動しながら、私も持って来ていたケーキ箱をトレイ先輩に手渡す。


ユウ
「良かったら食べてください。残り物で申し訳ないですが」


トレイ
「これは……プリンか。ユウが作ったのか?」


ユウ
「はい」


グリム
「あーっ!アレ、オレ様のプリンなんだゾ!?」


ユウ
「グリムの分は冷蔵庫に残してるよ」


グリム
「なーんだ、それならいいんだゾ。ホッ」


ほとんど持って来たから、残ってるの1個だけだけど。


トレイ先輩は「ありがとな」と笑って、ツナ缶とケーキ箱をサイドテーブルの上に置いた。


ユウ
「あの、トレイ先輩……」


トレイ
「ん、どうした?」


ユウ
「トレイ先輩は、次のマジフト大会には……」


トレイ
「ああ……今年のマジフト大会、俺は見学になりそうだ」


ユウ
「!」


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