【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第8章 【荒野の反逆者】前編
◇◆◇◆◇◆
私とグリムは、エース、デュースと共に鏡舎の扉を潜り、ハーツラビュル寮を訪れた。
寮の中に入って、上級生の部屋があるという奥の棟に向かう。
デュース
「この部屋だ」
トレイ先輩の部屋にたどり着いてデュースがそう言うまで、私たちはずっと無言だった。
デュースが3度ノックして、部屋の扉を開ける。
デュース
「失礼します」
私たちもその後に続いて、部屋の中に入った。
エース
「失礼しまーす」
ユウ
「トレイ先輩!だっ、大丈夫ですか!?」
グリム
「おう、眼鏡!シケたツラ拝みにきてやったんだゾ!」
ユウ
「こら、グリム!失礼なこと言わない!」
トレイ先輩は、部屋の右奥にあるベッドの上にいた。
トレイ
「!ユウ……」
右足に巻かれた包帯を見て、私はまたギュッと手を握り込む。
あ、足を怪我したんだ……外傷?捻挫?まさか、骨折!?
ケイト
「あれ、エーデュースコンビじゃん。それに、グリちゃんにユウちゃんまで勢揃いで」
ベッドの傍にいたケイト先輩が、私たちに向かってヒラヒラと手を振る。
エース
「どもっす……って。ケイト先輩、その『エーデュース』って何?」
ケイト
「え?2人とも『ス』が名前の最後についてるから、まとめてみただけ」
デュース
「横着しないでくださいっ!」
私たちは、トレイ先輩の傍に歩み寄った。
エース
「そんなことより、トレイ先輩の怪我ってどんなカンジなんすか?」
トレイ
「ああ、階段から足を踏み外したんだ。受け身をとりそこねて、右足を派手にやっちまった。しばらくは松葉杖生活だな」
ユウ
「ま、松葉杖って……」
デュース
「それ、わりと重症じゃないですか!」
私は、再度トレイ先輩の足の包帯を見る。
トレイ先輩は何でもないように話してたけど、これは明らかに重症だ……まさか、トレイ先輩まで事故に遭うなんて!
ユウ
「い、痛いですか?」
泣きたいわけじゃないのに、驚きと混乱で私は泣きそうになる。