【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第1章 【WelcomeToTheVillains'World】前編
クロウリー
「……とりあえず、当面の宿についてはここを無料でご提供します。ですが、衣食住については自分で支払っていただかねばなりません」
ユウ
「うっ……で、でも私、財布を無くしててですね……」
クロウリー
「手ぶらの貴女が差し出せるものと言ったら……ふふふふ、そうだ。こうしましょう」
クロウリーさんが、楽しげに目を細める。
それを見て、私はごくりと生唾を飲み込んだ。
ユウ
「わ、私は何をさせられるんですか……」
クロウリー
「そんなに身構えなくても、学内整備などの雑用をこなしてもらうだけです」
それを聞いて、ほっと息を吐いた。
それなら、最初からするつもりでいたし……タダで住まわせてもらうなんて悪いもんね。
クロウリー
「ユウさんは、見たところ掃除の腕はなかなかのようですし、ひとまず二人一組で『雑用係』はいかがです?そうすれば、特別に学内に滞在することを許可してさしあげます」
グリムと一緒に雑用係か……
クロウリー
「元の世界に帰るための情報集めや学習のために、図書館の利用も許可しましょう。私、優しいので……ただし!仕事が終わってから、ですよ」
グリム
「ええ〜!?そんなのいやなんだゾ!」
グリムが不満の声を上げる。
グリム
「オレ様も、あのカッケー制服着て生徒になりたいんだゾ〜!」
クロウリー
「不満ならば結構。また外に放り出すだけです」
グリム
「ふな゙っ!?わ、わかった!やればいいんだろ、やれば!」
グリムが良いなら、私が断る理由は無い。
ユウ
「わかりました。頑張ります」
クロウリー
「よろしい。では2人とも、明日からナイトレイブンカレッジの雑用係として励むように!」
……あ、そうだ。
ユウ
「あの、クロウリーさん」
クロウリー
「これからはクロウリーさんではなく、先生もしくは学園長と呼ぶように」
ユウ
「はい……学園長、出来たらその……私に動きやすい服を、もらえたりしませんかね?」
このローブ、動きにくいんだよね……動き回るには暑そうだし、出来れば運動着的なものが欲しい。