【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第1章 【WelcomeToTheVillains'World】前編
クロウリーさんが、元の人の姿に戻った。
グリム
「ぜぇ、はあ……どうだあ!」
クロウリー
「なんと……まさかモンスターを従わせることが出来る人がいるなんて」
ユウ
「いや〜……従わせたというか、ぶん回したというか」
さすがに疲れたせいか、退治が終わってもグリムは私の腕から抜け出そうとしない。
ユウ
「……お疲れ様」
グリム
「本当に疲れたんだゾ……」
クロウリー
「ふぅむ……実は、入学式騒動の時から私の教育者のカンが言っているんですよねぇ。ユウさんには、調教師や猛獣使い的な素質があるのではないか、と」
どんな素質!?
クロウリー
「しかし……どう見ても、このか弱さは猛獣使いでも、猛獣にパックリやられてしまいそうな…第一女性ですし……」
クロウリーさんが、顎に手を当てながら何事かブツブツと呟く。
お願いするなら、今かな……
ユウ
「あの……グリムも一緒に、この寮に置いてもらうことはできませんか?」
クロウリー
「なんですって?モンスターを?」
グリム
「オマエ……」
ユウ
「グリムは、この学校に通いたがってるんです。クロウリーさんも、今見ましたよね?グリムはモンスターだけど、凄い魔法が使えます!」
私がお願いする理由はないんだけど、グリムに助けられた恩もあってか、クロウリーさんに力説してた。
自分でもビックリするくらい。
クロウリー
「………ふぅ……仕方ありませんね。いいでしょう」
グリム
「ふな゙っ!?本当かっ!?」
クロウリー
「しかし、闇の鏡に選ばれなかった……しかもモンスターの入学を許可するわけにはいきません。ユウさんについても、元の世界へ戻るまでただ居候をさせるわけにはいかない」
うう、やっぱりダメか……
グリム
「なんだぁ……ぬか喜びだゾ……」
クロウリー
「まあ、話は最後まで聞きなさい。ユウさんの魂を呼び寄せてしまったことに関しては、闇の鏡を所有する学園にも責任の一端はある」
ユウ
「一端どころか全面的にそちら側の責任ですよね」
こればかりは譲れないからツッコんでおく。
クロウリー
「ごほん!」
あ、ごまかした。