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【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!

第8章 【荒野の反逆者】前編


ユウ
「えいっ」


ポムフィオーレ寮生A
「!?」


ドタッ


私はそんな先輩に向かって低姿勢で突っ込み、腰にタックルを決めながら、床に押し倒した。


ポムフィオーレ寮生A
「くっ、離れろ!」


ユウ
「わわっ!」


先輩にすぐさま押し返され、今度は私がバランスを崩して床に尻餅をつく。


先輩は立ち上がると、両目を釣り上げて私を見下ろしてきた。


ポムフィオーレ寮生A
「なんて不粋な闘い方だ!」


さらに怒らせちゃったみたい。


ユウ
「すみません……でも、」


私は、尻餅をついたまま、先輩に向けて右手を突き出す。


ポムフィオーレ寮生A
「!」


私が右手に握っているのは、どさくさに紛れてスッた先輩のマジカルペン。


ユウ
「僕たちの勝ちです」


ポムフィオーレ寮生A
「くっ……卑怯だぞ!僕はキミに決闘を申し込んだのに、使い魔に手を出させるなんて」


ポムフィオーレ寮生B
「そうだ!今年の新入生は、決闘の作法も知らないのか!」


私たちを卑怯だと言う先輩たちに向けて、グリムが指をさす。


グリム
「オマエら知らねーのかぁ?オレ様たちは、2人で1人の生徒なんだゾ!」


それも物凄いドヤ顔で。


ポムフィオーレ寮生A
「……!」


ポムフィオーレ寮生B
「それは……!」


まだ納得がいかないのか、先輩はパクパクと口を動かす……けど、言葉が出てこない。


私は、立ち上がって先輩をじっと見つめた。


怪我させてないよね……これで怪我させてたら、本当に申し訳なさ過ぎる……!!


グリムに火はギリギリ当てないようにリクエストしといたけど……よしよし、どこも焦げてない焦げてない。


私タックルしちゃったけど、先輩すぐに突き飛ばしてきたし、多分大してダメージ喰らってない。


不意を衝いたとはいえ、結局は女の腕力だし。


ユウ
「よし」


私は小さく呟いて、先輩へ歩み寄った。


ユウ
「不粋な真似して、すみませんでした。でも……たとえ相手が上級生でも、怪我を負った人を相手に決闘なんて出来ません」


ポムフィオーレ寮生A
「!」


先輩へマジカルペンを差し出しながら、私はハッキリと先輩の目を見つめた。


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