【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第8章 【荒野の反逆者】前編
ファット
「イッヒッヒ!そんなんじゃ、大会に出ても初戦で敗退だねぇ」
ユウ
「わかってるよ!うるさいな」
わざわざ言わなくても良くない!?
レッチ
「いやいや、初めてにしては上出来、上出来♪」
レッチさんだけは、ニコニコ笑いながら褒めてくれた。
グリム
「ふ、ふんっ……オレ様は才能の塊だからな!慣れればすぐ、天才プレイヤーになれるんだゾ」
グリムなら、本当に練習次第で選手になれそうなのに……
オンボロ寮が大会に出場出来ないこと、今更だけど悔しく思ってしまう。
私は、グリムの頭を撫でた。
グリム
「暑いからやめるんだゾ〜!」
ユウ
「あ、そろそろプリン冷えてる頃だ。中入っておやつにしよっか」
グリム
「プリン!!??食べるんだゾ!!!!」
ユウ
「声デカい!」
急に元気になったね!?
目を輝かせて、グリムは寮に向かって走り出す。
私は走る元気がないから、レッチさんたちとゆっくり戻った。
グリム
「はーやーくー!!」
ユウ
「はいはい」
玄関につき、私が鍵を開けた……丁度その時、
クロウリー
「おや皆さん。マジカルシフトですか」
オンボロ寮に、学園長がやって来た。
ユウ
「学園長?」
グリム
「げっ。今一番テンション下がるヤツが来たんだゾ」
学園長は私たちの様子を見回して、「うんうん」と頷く。
クロウリー
「寮内のゴーストさんたちとも仲良くやってるようですね。感心感心」
グリム
「別に仲良くねーし!」
ユウ
「素直じゃないなぁ」
グリムはレッチさんたちのお陰で元気になれたようなものなのに。
グリム
「で、なんの用なんだゾ」
クロウリー
「君たちに頼みたいことがあって来ました。立ち話もなんですから、中へ」
◇◆◇◆◇◆
オンボロ寮-談話室
一旦キッチンに行ってた私は、ティーポットとプリンを持って談話室に戻り、3人分のカップに紅茶を注いだ。
クロウリー
「おお……この寮がまさか、お客様へのおもてなしが出来るようにまでなるとは……!」