【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第8章 【荒野の反逆者】前編
レッチ
「そんなにマジカルシフトがやりたいなら、わしらが相手してやるぞ」
グリム
「!」
レッチさんの言葉に、グリムの耳がピクリと反応する。
レッチ
「90年前は、わしも選抜メンバーに選ばれて、キャーキャー言われとったんじゃ!」
ユウ
「90年前……ていうか、レッチさんって学園のOBだったんですね」
ファットさんとスティンさんもOBなのかな?
ファット
「お前さんも一緒にどうだ?」
ユウ
「うーん、どうしよう……興味はあるけど」
グリム
「……7人いねぇと、できねーんだろ?」
ユウ
「!」
いつのまにか、グリムは伏せてた顔を上げていた。
スティン
「試合じゃなければ関係ないさ。さあ始めるぞ!」
グリム
「ふ、ふん……そこまで言うなら、付き合ってやらないこともないんだゾ」
誘われるまま、グリムはソファーから降りて外に向かって行く。
ユウ
「素直じゃないなぁ」
私も、その後を追いかけた。
◇◆◇◆◇◆
ユウ
「一応鍵をかけて、と……」
玄関から出て右手の庭に、グリムたちは集まっていた。
レッチ
「細かいルールは気にしなくていいぞい。とにかくディスクを操って、ゴールへ叩き込むんじゃ」
ユウ
「そのディスク、どこにあったの?」
私は、グリムが持ってたディスクを手に取ってみる。
色は濃青……元の世界にあったフライングディスクとほぼ同じサイズだけど、素材は金属っぽくて見た目の割に重さがある。
レッチ
「物置の中じゃよ。わしらたまにコレ使って遊んどるんじゃ」
ユウ
「へぇー」
物置かぁ……そういえば、前に一度開けただけで中の埃の凄まじさにすぐドア閉めちゃって、そのままにしてたんだった……今度また掃除しなきゃ。
ついでに中の物とか、使える物がないか漁ってみよ。
パシッ
ユウ
「あっ」
バッとジャンプしたグリムが、私の手からディスクを奪い取った。
グリム
「よーし、オレ様が全員蹴散らしてやるんだゾ!」
早くやりたくて仕方ない様子。