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【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!

第8章 【荒野の反逆者】前編


数日後───


今日の授業が終わって放課後、私はノートを開きながら「う〜ん」と唸った。


エース
「ユウって、普通教科と魔法系教科で落差激しいよな」


私のノートを覗き込みながら、エースが面白そうに笑う。


ユウ
「うう、中間試験が怖すぎる……」


マジフト大会の後には中間試験が控えているらしい。


大会に出場出来ない私とグリムには、こっちの方が重要だった。


ユウ
「今日は調べ物より勉強を優先しようかな……」


デュース
「調べ物?……ああ、ユウの故郷のことだな」


ユウ
「うん」


殆どの生徒が部活に費やす時間を、私は図書室で異世界について調べる時間に当てていた。


まぁ、グリムの気分次第で出来ない日も多いんだけど……今日はどうかな?


ユウ
「グリム、これから中間試験に向けて勉強しない?」


グリム
「オレ様、もう帰りたいんだゾ〜……」


机の上にぐでーっと寝転がりながら、グリムは間延びした声でそう言った。


グリム
「寮に帰って、オヤツ食べて、昼寝して、晩メシ食べて、寝るんだゾ」


ユウ
「ニートか!」


そんな不健康な生活許せるか!!


デュース
「グリムは、ここ数日元気がないな」


エース
「不貞腐れた狸なんかほっとけよ」


エースは興味なさそうにそう言って、「じゃ、オレは部活行くわ」と席を立った。


グリム
「オレ様は狸じゃねぇんだゾ〜……」


つ、ツッコミにもキレがない……ここまで元気のないグリムは初めてだ……


ユウ
「……しょーがない。今日は帰ろう」


デュース
「いいのか?」


ユウ
「うん、寮で自主勉することにする。あと、グリムのご機嫌とりも」


デュース
「いつものことのようだが……大変だな、ユウは」


苦笑うデュースに、「同情するなら手伝って」と言ってみたけど即断られた。


デュース
「俺も部活があるからな」


ユウ
「わかってるよ。言ってみただけ」


私は席から立ち上がり、いまだ寝転んだままのグリムを抱き上げる。


ユウ
「じゃあ、部活頑張ってね」


デュース
「ああ。ユウも頑張れよ」


デュースに手を振って、私とグリムは教室を後にした。


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