【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第8章 【荒野の反逆者】前編
リリア
「すまんが、今はマレウスはおらんのじゃ。また一人で散歩に出たらしい」
ユウ
「あ、そうですか」
じゃあ、代わりにリリア先輩に伝えて帰ろう。
ユウ
「寮ちょ……」
バァァーーン!!!
???
「何者だ!!!!」
ユウ
「うわぁ!?!?」
私が「寮長会議」と説明しようとした瞬間、ディアソムニア寮の玄関扉が内側から勢いよく開かれ、同時に誰かの大声が響き渡った。
本日2度目の背後からの急襲に、また私は弾かれたように跳び退く。
何!?今度は誰!?
リリア
「やれやれ……セベク、お前はいつも忙しがないのう。そんなに強く開けて、ドアが壊れてしまったらどうするつもりじゃ?」
???→セベク
「リリア様!戻られていたのですね!」
セベクと呼ばれたディアソムニアの寮生が、スタスタとリリア先輩に歩み寄る。
綺麗なペールグリーンの髪、髪型はオールバックで、金緑の瞳の目はキリッとしてて、鼻筋の通った顔立ちをした人だった。
移動教室の時とか、何度か見かけたことあるから、多分同じ1年生。
こんな近くで会うの初めてだけど、背ぇ高いな〜……
セベク
「この辺りで聞き覚えのない声が聴こえたので、侵入者が入ったのではと確認しに参りました!」
リリア先輩にそう話した後、その人……セベクの目が私を睨んだ。
ユウ
「うっ」
ギラッギラの目がコワい。
セベク
「お前が侵入者か!!!」
ユウ
「いや違っ……」
違くはないか。
ユウ
「確かにアポ無しで来たけど、これには理由が……」
セベク
「あッ!!よく見ればお前、以前馴れ馴れしくもリリア様の御手に触れた無礼者じゃないか!!」
さっきから声デカいなこの人!
リリア
「これセベク、客人に対して無礼であろう」
セベク
「客人?」
リリア
「そう、客人じゃ。ユウは、マレウスに会いに来たのよ」
セベク
「なっ!?若様に!!??」
若様?