【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第8章 【荒野の反逆者】前編
◇◆◇◆◇◆
【HEROINE side】
一旦教室に戻ってみても、既に誰も居なかった。
私がオンボロ寮に帰ると、中に明かりがついてるのが見える。
グリムたち、待ってる間にオンボロ寮に帰ってたんだ……グリムは鍵持ってないはずだけど、レッチさんたちに開けてもらったのかな。
ユウ
「ただいまー」
私は寮の中に入り、真っ直ぐ談話室に向かった。
ユウ
「あれ?いない……」
私とグリムの部屋か、エースとデュースに貸した部屋に居るのかな?
私は、階段に向かい上にあがった。
ユウ
「グリム〜?エース〜、デュース〜」
名前を呼びながら、私とグリムの部屋に入ると……
グリム
「ふなぁ〜〜ん……」
自分のベッドで丸まってるグリムと、私のベッドとソファーにそれぞれ腰掛けてるエースとデュースの姿があった。
デュース
「おかえり、ユウ」
ユウ
「ただいま」
エース
「やっと戻ってきた〜。また随分と遅かったじゃん」
ユウ
「うん、ごめん。2人にグリムのこと任せちゃって」
グリムは不貞寝かな?
デュース
「ユウが謝ることじゃないだろ。ほとんど学園長から無理矢理連れてかれたようなものだったし……」
ユウ
「まぁ……でも、迷惑かけたことに変わりはないし」
デュース
「これぐらい、迷惑のうちに入らない」
そう言って、デュースは小さく笑う。
何も飾ってない素直な笑顔が、やけにカッコ良く見えた。
アズール先輩に散々営業スマイル見せられたせいかな(失礼)
ユウ
「エースもごめんね」
エース
「感謝しろよな!オレら、お前とグリムのために部活休んでやったんだからな」
そういえば、2人は部活入ってたんだった……エースはバスケ部で、デュースは陸上部だっけ。
つまり、学園長からオーバーブロットについて聞いた後は、2人は部活に向かうはずで……それを学園長が私を寮長会議に引っ張ってったばかりに、2人はグリムを押し付けられて、部活に行けなくなってしまった、と……