【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第8章 【荒野の反逆者】前編
アズール
「こうして直接お話しするのは、初めてですね。改めまして……オクタヴィネル寮寮長、アズール・アーシェングロットと申します」
ユウ
「ご丁寧にありがとうございます。オンボロ寮の監督生、ユウ・クラシロです」
アズール先輩から右手を差し出され、私はそれに応えアズール先輩と握手を交わした。
寮長会議の時は緊張であまり見れなかったから、私は改めてアズール先輩をじっと見てみる。
アズール先輩は、薄い紫がかった銀色の髪、薄い青の瞳、銀縁の眼鏡の奥の目は睫毛が長くて、口元の艶ぼくろが印象的なイケメンだった。
本当にイケメン多いなこの学園!
アズール
「先程はレオナさんと、どのようなお話をなさっていたんです?」
ユウ
「えっと、大したことは何も……」
そういえば結局、レオナ先輩が何を言おうとしてたのか分からなかったなぁ……
アズール
「ふぅむ……」
ユウ
「?」
アズール先輩が、観察するように私を上から下までジッと見てくる。
レオナ先輩みたいな迫力も威圧感もないけど、なんか探られてるみたいで居心地悪い……
ユウ
「あの……な、何か?」
アズール
「いえ……以前から、貴方とは一度話してみたいと思っていたものですから」
アズール先輩が、再び微笑を浮かべる。
アズール
「学園長から貴方の入学を聞かされた時には、驚きました。まさか、ナイトレイブンカレッジに魔力の無い者を入学させるとは……今までに例のないことでしたので」
ユウ
「そ、そうですよね……僕もまさか、入学させて頂けるとは思ってませんでした。ずっと雑用係のままかと……」
アズール
「入学資格のない者を雑用係として置くというのも、そもそも前例の無いことなんですよ」
どうやらアズール先輩は、私について知りたかった様子。
まぁ、『魔法士養成機関に魔力の無い生徒』なんて、この世界じゃ誰だって驚くことなんだろうけど……