• テキストサイズ

【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!

第8章 【荒野の反逆者】前編


ユウ
「……こっちか」


校内マップと照らし合わせて位置を確認して、私は再度歩き出した。


この道を選んだことを、私は5秒後に後悔する。


曲がり角に差し掛かったところで……


ユウ
「!?」


レオナ
「あ?お前は……」


ユウ
「ひぇ……」


レオナ先輩と遭遇してしまったから。


あれ!?何で……私が後から出たのに、この道、階段、どこで……あれ!?


先に出たはずのレオナ先輩とどうして遭遇してしまったのか、さっきまで迷ってた私にはわかるはずもない。


パニックになりかけてる私を、レオナ先輩はじっと見下ろしてきた。


私は、迫力に負けて一歩後退る。


レオナ
「あァ。よく見ればお前、植物園でこの俺の尻尾を踏んづけた草食動物じゃねぇか」


ユウ
「そっ、その節は、大変失礼しました……」


あ、ちゃんと覚えられてた……


どうせ四つ角でバッタリするなら、もっと優しそうな人とが良かったなぁ(失礼)


なんて馬鹿なことを考えてる間に、レオナ先輩がその場で「スンスン」と鼻を鳴らす。


ユウ
「!」


また匂い嗅がれてる!?


ヤバいと感じて、私はもう一歩後退った。


レオナ
「チッ……逃げるんじゃねえよ。面倒くせぇ」


私が開けた距離を、レオナ先輩にまた詰められてしまう。


ガシッ


ユウ
「!?」


その上、肩を思いっきり掴まれてしまった。


ユウ
「なっ、何ですか何ですか!?」


私の首筋付近まで顔を近づけて、レオナ先輩はもう一度匂いを嗅ぐ。


レオナ
「………」


だ、大丈夫……学園長の魔法があるから、匂いで性別がバレることはない……はず!


レオナ
「……違ぇな」


ユウ
「?」


違う?


ユウ
「違うって、何が……」


疑問に思ってレオナ先輩を見ると、レオナ先輩も私を見ていた。


ユウ
「っ……」


翠緑の鋭い瞳に睨まれて、植物園の時のように、私は動けなくなる。


/ 333ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp