【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第8章 【荒野の反逆者】前編
マレウスさん呼び忘れについて私がツッコんでしまったために、寮長会議は微妙な空気のまま解散することになってしまった。
私もオンボロ寮に戻ろうと、席から立ち上がる。
学園長は……あれ?
ユウ
「嘘でしょ……」
学園長は既に、鏡の間からいなくなっていた。
私のこと勝手に引っ張って来たクセに、帰りはほったらかしなんてヒドイ!
私に、この寮長たちの間を抜けて帰れと……!?
ユウ
「り、リドルく……」
私は助けを求めるように、リドルくんの方へ目を向けたけど……リドルくんはヴィル先輩と何か話をしていて、私の視線に気付かない。
さすがに邪魔するわけにはいかないよね……それに、リドルくんに助けてもらうばかりなのも悪いし……
溜息をついて、私がふと顔を上げると、他の寮長たちの姿はなかった。
ユウ
「あ……」
イデア先輩のタブレットも無くなってる。
先走って焦ってたのが馬鹿みたい……寮長さんたちだって暇じゃないんだから、会議が終わればそりゃ寮に帰るよね。
私はホッと息をついて、今度こそ帰ろうと歩き出す。
出る時、リドルくんと話すヴィル先輩と目が合ったから、軽く頭を下げて、私は鏡の間を後にした。
◇◆◇◆◇◆
緊張から解放されたのは、私が階段を下ってる途中。
ユウ
「ハァ〜〜ッ」
大きな溜息を吐き出して、私はやれやれと肩を落とした。
疲れた……大して何もやってないのに……あ、いや、走ったのは走ったか……
ユウ
「………」
エースたち、今どこに居るかな……教室か、オンボロ寮か、ハーツラビュル寮か……
グリムを迎えに行って、早くオンボロ寮に戻りたい。そして寝たい。
ユウ
「……あれ?」
考えながら歩いてたからか、私は自分が覚えのない場所を歩いていたことに気づいた。
ヤバい、迷った……この本校舎広過ぎ!
窓の外を確認してみると、下に中庭が見える。
ということは、ここは教室がある側で、保健室とは反対だから……