【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第8章 【荒野の反逆者】前編
レオナさんが、席から立ち上がる。
レオナ
「第一、マジフトは力押しでやるモンじゃない。ココでやるモンだろ?」
そう言いながら、レオナさんは自分の頭に手を当てた。
カリム
「オレは、頭でもマレウスに勝てる気しねーけどなー」
レオナ
「フン。お前はな。だが、俺は違う。確かに、力押しじゃあ誰もあいつに勝てないだろうが、おつむのほうは違うはずだ」
アズール
「ほう?」
レオナ
「グレート・セブンの百獣の王も、努力と知恵で王の座を勝ち取った。お前らも頭絞って考えろよ。あのバケモノに勝つ方法を!」
レオナさんは、学園長と他の寮長さんたちに向けて不敵に笑ってみせる。
レオナ
「もし勝てたなら、そのチームを世界中が称賛するだろうぜ。千載一遇のチャンスを、みすみす逃すのか?」
ヴィル
「たまには良いこと言うわね。アタシも、学園長の提案はナンセンスだと思っていたところよ」
ヴィル先輩の一人称って「アタシ」なんだ……あ、今はそんなとこに反応してる時じゃなかった。
ヴィル
「才能ある者を排除する。それってアンコンシャスバイアス……無意識の偏見ってものじゃない?」
ヴィル先輩は、綺麗な顔を顰めながら「アタシ、そういうの嫌い」と言い切る。
リドル
「ボクも、ヴィル先輩の意見に賛同します。それに、一魔法士としても、戦う前から匙を投げるような真似はしたくありません」
真面目なリドルくんらしい答えだな〜。
レオナ
「あのお高くとまったスカし野郎の悔しがる顔が、世界中に放映される。想像するだけで鼻歌が歌いたくなるじゃねぇか。なァ?」
アズール
「ふふ。それは視聴率が取れそうな画ですね」
ええー……
スポ根系の話から一気に性格悪い話に……よく知らないけど、マレウスさんは相当恨まれてるっぽい。
カリム
「うんうん。仲間外れはよくねーよな」
イデア
「えっ、何この流れ?殿堂入りでいいって思ってるの、僕だけ?」
イデア先輩の言葉は拾われることなく……
レオナ
「ってわけで、センセー。マレウスの殿堂入りの件はナシだ」
レオナさんが、代表して学園長にそう断言した。