【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第8章 【荒野の反逆者】前編
リドル
「……とりあえず、キミはボクの隣にお座り」
ユウ
「!」
リドル
「いいね?」
ユウ
「う……うん」
心臓の速まりが、少しだけ治まったような気がした。
リドルくんに言われた通り、私はリドルくんの隣の席に座らせてもらう。
反対の隣には、学園長が腰を下ろした。
リドル
「………」
心配してくれたのかな……
今の私はよっぽど不安そうな顔をしてるのかと思いつつ、私はリドルくんの気遣いに感謝した。
緊張するけど……リドルくんも居るし、こうなったら腹を括るっきゃない!
クロウリー
「皆さんには事前にお伝えしてませんでしたが、今日の会議は彼にも参加していただきます」
学園長から視線を向けられ、私は一旦席から立ち上がった。
すっごい見られてる気がするけど、とても他の寮長さんの顔は見れなくて、私は誰とも目を合わせないように遠くを見つめる。
クロウリー
「彼も監督生になった以上、いずれは君たち同様、仕事を任せていく予定なので……今日は、寮長会議の雰囲気に慣れさせる為に連れて来ました。議題自体には参加させませんので、あまり気にしないように」
挨拶するチャンスだと思って、私は寮長さんたちに向かって頭を下げる。
ユウ
「お、オンボロ寮の監督生になりました。ユウ・クラシロです。今日はお邪魔してしまって、すみません……よろしく、お願いします」
私が謝る必要なんて全く無いと思うんだけど、なんとなくすみませんと口に出してしまった。
こういうとこ日本人だなって思う。
私が席に座り直すのを見て、学園長は目線を前に戻す。
クロウリー
「えー、では、これより10月に行われる寮対抗マジカルシフト大会についての寮長会議を始めます」
議題自体には参加させないってことは、私は何もしなくて良いってことだよね?
姿勢だけ正してれば、ずっと黙ってても良いわけだ。
よし、頑張ろう。