【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第8章 【荒野の反逆者】前編
◇◆◇◆◇◆
逃げる暇も立ち止まる暇もなく、私は学園長によって鏡の間に連れてこられてしまった。
これからこの場所で、寮対抗マジカルシフト大会についての寮長会議があるらしいけど……
ユウ
「が、学園長……待ってください!」
何で私がここに!?
鏡の間の中央には、入学式の時や、ドワーフ鉱山の行き来で訪れた時には無かった円卓と人数分の椅子が設置されている。
そこには既に、寮長らしき人たちの姿があった。
私はそれを見て、ただでさえ走ったことで早まってた拍動が、更に速度を上げていくのを感じる。
え!?ほ、本当に出るの!?
ユウ
「や……嫌です!戻ります!」
クロウリー
「ダメです」
逃げようとする私の腕を離すことなく、学園長は私を引っ張って円卓へ向かう。
学園長はやっぱり誘拐犯だーー!!
クロウリー
「さあさあ」
必死の抵抗も殆ど意味をなさず、私はついに円卓まで……寮長たちの前まで、連れてこられてしまった。
クロウリー
「ああ皆さん、お待たせしました」
リドル
「ユウ!?」
「「「「「?」」」」」
私を見て、他の寮長さんたちが怪訝な顔をする中、リドルくんだけ驚きに目を見開く。
席から立って、私のそばまで歩み寄って来てくれた。
リドル
「ユウ、どうしてキミがここに……」
ユウ
「リドルくん……」
私が「学園長に誘拐された」と話すと、リドルくんは唖然とした顔をして、学園長の方に視線を向けた。
クロウリー
「君たち、早く席について下さい」
リドルくんの視線を気にする様子はなく、学園長は私たちを急かしてくる。
この野郎……人の気も知らないで!
私が涙目で学園長を睨んでると、そっとリドルくんの手が私の背中に触れた。
リドル
「意図はわからないが、学園長がキミを連れて来たなら、何か意味があるんだろう」
私より少し高い目線から、リドルくんは私の目を見つめる。
うう、もう出席するしかないのかなぁ……