第8章 【荒野の反逆者】前編

エース
「うわっ！？」


ユウ
「学園長！？」


デュース
「なんで走ってるんですか！？」


あんな上着を翻して全力疾走ってナニゴト！？


私たちは、ささっと廊下の端に寄って、学園長に道を開ける。


クロウリー
「ユウくん！！一緒に来てください！！」


ユウ
「えっ」


ガシッ


ユウ
「う、わあぁあ！？」


通り抜け様に、学園長が私の腕を掴んだ。


グンっと物凄い力に引っ張られて、私はあっという間に攫われる。


エース/デュース
「ユウ！？」


ユウ
「なに、なに、なに！？」


何で私連れてかれてんの！？


クロウリー
「トラッポラくんとスペードくんは、ユウくんに代わってグリムくんをしっかり見ておくように！」


学園長は、私の腕からグリムを取り上げると……


クロウリー
「お願いしますよ！」


そのままノールックでエースたちの方へグリムを放り投げてしまった。


グリム
「ふなﾞあぁあぁ！？！？」


ユウ
「グリムー！？」


私は慌てて振り返ったけど、グリムはなんとかエースがキャッチしてた。


ユウ
「よ、良かった……」


じゃない！


ユウ
「学園長！なんてことするんですか！！！」


クロウリー
「急いでるんですから仕方ないでしょう！？」


逆ギレ！？


学園長が角を曲がったことで、3人の姿は見えなくなった。


ユウ
「ど、どこに向かってるんですか？」


必死に足を動かしながら、私は学園長の背中に問いかける。


クロウリー
「鏡の間です」


ユウ
「え？何で……」


クロウリー
「先程言ったでしょう？これから寮長会議があるんです」


ユウ
「だから、何で僕を……」


嫌な予感……


クロウリー
「あなたも出席するからですよ」


ユウ
「はい！？」


それこそ何で！！？