第1章 【WelcomeToTheVillains'World】前編

クロウリー
「しかし、ふぅむ……貴女達2人で、協力してゴーストたちを追い出してしまうとは」


グリム
「協力とは聞き捨てならねーんだゾ。ソイツは、ほとんど見てただけだったし？オレ様は、ツナ缶が欲しくてやっただけだし？」


ユウ
「全部グリムのお陰です」


グリム
「……って、あっ！オレ様、まだツナ缶もらってねーゾ！」


ギクッ


ユウ
「あー、それは……ちょっと待って」


咄嗟に言っちゃったけど、私お金持ってないんだよね……


クロウリー
「おふたりさん。ゴースト退治、もう一度見せてもらえます？」


ユウ
「え？」


ゴースト退治を？……何で？


グリム
「でも、ゴーストは全部追い払っちまったんだゾ！それより、ツーナーかーんー！」


クロウリー
「ゴースト役は私がします。私に勝てたらツナ缶を差し上げましょう。私、優しいので」


ユウ
「え、クロウリーさんを退治しろって言うんですか？」


クロウリー
「ええ、そうです。では、変身薬をごっくん！！」


クロウリーさんが、どこからか小瓶を取り出して、中身の液体を飲んだ。


次の瞬間、クロウリーさんの姿がゴーストに変わった。


ユウ
「ええええ！？ど、どうなってるんですかそれ！？」


変身薬とか！そんな薬まで存在するなんて、魔法って凄い……


グリム
「えぇ〜……嫌なんだゾ。めんどくせーし、またコイツと一緒になんて……」


私も正直嫌だ……クロウリーさんの意図も分からないし……でも、


ユウ
「グリム、グリム」


私は蹲み込んで、グリムの耳元に口を寄せた。


グリム
「ん？なんだ？」


ユウ
「これってもしかして、入学できるチャンスかもしれないよ」


グリム
「ぐぬ……」


グリムは少し悩んだ後、決心したように私を見つめた。