【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第8章 【荒野の反逆者】前編
デュース
「グリムの場合、魔法より先にモンスターが選手してるってことで驚かれそうだな」
ユウ
「あはは、確かに」
本当にやる気なら、まずはルールを覚えるところから始めなきゃだけど……
グリム
「よっしゃ〜!早速今日から特訓して、絶対に活躍して目立ってやるんだゾ!」
クロウリー
「あ、でも、グリムくんは出られませんよ」
グリム
「えっ」
ユウ
「あれ!?」
学園長さっき「もちろん!」って言ってなかったっけ!?
クロウリー
「さっきから何度も『寮対抗』だって言ってるじゃないですか。君たちの寮は、寮生が7人に満たないでしょう?ですから、出場登録ができません」
グリム
「えええええ〜〜〜っ!?そんなぁ〜〜〜!!!」
ユウ
「あちゃー……」
オンボロ寮は私とグリムの2人だけ……マジフト大会に出るには、あと5人も足りない。
いや、6人?魔法使えない私はそもそも出れないよね。
クロウリー
「当日は、観客席でドリンクを売る仕事やグラウンド整備の仕事など、いくらでもやることはありますよ。フィールドに立つ選手だけが主役ではありませんから」
グリム
「やだやだ〜〜!!」
私は、涙目になって駄々をこねるグリムを見た。
やる気になってた分、落ち込んだりしないといいんだけど……
グリム
「テレビに映って、『きゃ〜!グリムくんかっこいー!』『おい、今のスーパープレイ見たか!?』って言われながらチヤホヤされたいんだゾ〜!」
エース
「いやに具体的な妄想だな……」
ユウ
「意外と元気そう」
そして、動機が不純。
デュース
「うーん。人数が足りないのは仕方ない。来年オンボロ寮に新入生が入るかもしれないことに望みをかけて、今年の出場は諦めるしかないかもな」
ユウ
「だね」
クロウリー
「そんなわけで……」
ユウ
「!わっ、わっ」
学園長にグイグイと背中を押され、私たちは学園長室から追い出される。
クロウリー
「私はこれで!ああ忙しい、忙しい」
態とらしく「忙しい」を連呼しながら、学園長は扉を閉めてしまった。