【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第8章 【荒野の反逆者】前編
グリム
「魔法の使い過ぎで魔法石が真っ黒になると、みんなこないだのリドルみたいに闇堕ちバーサーカーになっちまうのか?」
ユウ
「!」
グリム
「でっけー魔神みたいのも出てて、怖かったんだゾ」
あの時のことを思い出してか、グリムが若干涙目になる。
私だって、あのバケモノを思い出すと今でも怖い。
クロウリー
「ブロットの蓄積量は、魔法士自身の精神状態に大きく影響を受けます。怒り、哀しみ、恐怖、混乱……そういった負のエネルギーを抱えているとブロットが非常に溜まりやすく、オーバーブロットを引き起こしやすくなります」
デュース
「負のエネルギー……」
ユウ
「確かに、あの時のリドルくんはストレス溜めまくってたような……」
エースのタルト盗み食いに始まり、相次ぐ寮生のルール違反、マロンタルト、エースとデュースの反抗、私の暴言、トレイ先輩のドゥードゥル・スートetc……そりゃストレス溜まるわ!
精神状態自体はリドルくん自身の問題だったとはいえ……うん、ごめんね。リドルくん。
クロウリー
「暴走状態のローズハートくんの背後に現れた巨大な影。あれは、負のエネルギーとブロットが融合して現れる化身だと言われていますが……実際のところ、詳しいことは分かっていません」
ブロットは心身に有害なだけでなく、あんなバケモノまで生み出してしまう……本当に、危険な存在だ。
クロウリー
「オーバーブロットについては、未知数なことが多い。なにせ事例がそう多くはありませんから」
エース
「事例が多くてたまるかっつーの。あんなの二度とゴメンだわ」
ユウ
「うん」
吐き出すように言ったエースに、私は頷いて同意した。
出来ればもう2度とお目にかかりたくない……!
クロウリー
「ローズハートくんは、幸いにもその場で正気に戻すことができましたが、もしあのままだったら……」
戦ってたみんなは怪我じゃ済まなかったかもしれないし、リドルくんは命を落としていたかもしれない……
私は、あの時のことを思い出して、小さく身震いした。
クロウリー
「あぁーーっ!考えたくない!!恐ろしい!!!」
ユウ/グリム
「ぅわっ!!」
突然、学園長が大声で叫び出した。