【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第8章 【荒野の反逆者】前編
ユウ
「や、やっと終わった……」
何だったんだろ、今の戦い……
私の腕から抜け出して、グリムはピョンと床に飛び降りた。
グリム
「オイ学園長!ブロットの話と、ゴーストとの戦い、なんの関係もなくねぇか!?」
クロウリー
「グリムくん、首輪についた魔法石を見てごらんなさい」
グリム
「ふな゙っ!?オレ様の魔法石、なんか薄汚れてるんだゾ!?」
私も蹲み込んで、グリムの首輪の魔法石を覗いてみる。
薄紫の魔法石には、滲んだような薄黒い汚れが付いていた。
グリム
「肉球で擦っても汚れがとれねぇ!」
私は自分のマジカルペンも確認してみたけど、魔法石は汚れてない……ということは、
ユウ
「もしかして、この汚れが……?」
クロウリー
「そう……魔法石についているインクを垂らしたような黒いシミ。それこそが、魔法を使ったことにより生じたブロットです」
デュース
「あっ、よく見ると俺のマジカルペンにも、うっすらシミが……!」
エースとデュースのマジカルペンも、魔法石が汚れてしまっていた。
グリム
「うえぇ、なんか汚ねぇんだゾ!」
ユウ
「さっきの戦いは、これを確認するために……」
でも、確認のためだけにブロットを溜めるような真似して良かったのかな……
私は立ち上がって、学園長の方を見る。
ユウ
「この魔法石は、もう元に戻らないんですか?」
クロウリー
「いいえ」
グリム
「よかったぁ〜!」
お気に入りの魔法石の首輪が元に戻ると知って、グリムは「ホッ」と息を吐いた。
ユウ
「じゃあ、綺麗にする方法があるんですね」
クロウリー
「もちろんあります」
私も、ブロットは解消できるものと知って「ホッ」と息を吐いた。
グリム
「特別な石鹸で洗うとかか?」
クロウリー
「充分な休息を取れば、時間経過と共にブロットは消えていきます。魔法石は、魔法の発現を助けてくれるだけでなく、ブロットが直接術者の身体に蓄積されないようある程度肩代わりもしてくれる、素敵なアイテムなのです」
ユウ
「魔法石って凄い」
さすが、ドワーフ鉱山のバケモノが執着してただけあるな〜。