【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第8章 【荒野の反逆者】前編
ユウ
「でも、どちらにせよ身体に良くはなさそう……」
クロウリー
「その通りです。有史以来、現在に至るまでブロットについてはさまざまな研究が進められていますが、その存在にはいまだ謎が多い」
あ、この世界でも謎な存在なんだ……だったら私にはもっとわかるわけないじゃん。
クロウリー
「1つだけハッキリ分かっているのは、非常に毒素が強く、溜めすぎると魔法士の心身を害するということだけ」
ユウ
「便秘てきな」
クロウリー
「いい加減怒りますよ」
ユウ
「すみません」
学園長に仮面越しに睨まれて、私は即謝った。
エース
「そういや、昔ばーちゃんから『ブロットが溜まるから気軽に魔法を使うな』って口酸っぱく言われたっけ」
ユウ
「へぇー」
ブロットは謎が多くても、害だということは当たり前の常識として知られてる……ってことかな。
クロウリー
「大きな力には、リスクが伴う。どんなに優れた魔法士も、無尽蔵に魔法を使えるわけではないんです」
グリム
「つまり、魔法を使えば使うほど不健康になるってことなんだゾ!?」
ユウ
「!」
グリムの言葉を聞いて、私はサッと血の気が引く思いがした。
ユウ
「ぐ、グリム……グリムごめん!今まで気軽に魔法使わせてっ」
まさか魔法に、こんな大変なリスクがあったなんて!
クロウリー
「いいえ、そうとも限りません」
ユウ
「え?」
違うの?
クロウリー
「ふぅむ。こればかりは、説明するより見せたほうが話が早そうですね」
パンパン
学園長が、その場で2度手を打つ。
クロウリー
「ゴーストの皆さん、お仕事ですよ!」
すると、壁や天井を抜けて数人のゴーストが学園長室に現れた。
ゴーストA
「やあやあ、お呼びかね、学園長」
エース
「え?な、なになに?」
グリム
「ふなぁー!またゴーストなんだゾ!」
なんか嫌な予感……
学園長がゴーストたちを見回す。
クロウリー
「ひとつ、この若人たちに胸を貸して鍛えてやってください」
デュース
「えぇっ?」
ユウ
「た、戦えってことですか!?」
なんで今!?