【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第8章 【荒野の反逆者】前編
エース
「そういやオレたち、今日の放課後学園長に話があるから来いって言われてるじゃん。一体なんの話だろうね?」
ユウ
「りおうふんのふぁふぁひやない?」(リドルくんの話じゃない?)
エース
「飲み込んでから喋れよ」
あ、詰め込み過ぎた。
デュース
「ユウの言う通り、先日のローズハート寮長の件かもしれないな」
エース
「デュースよくわかったな……こないだの闇堕ちバーサーカー事件か。それかもね」
私は口の中のものを飲み込んでから、エースに向かって頷いた。
グリム
「ハッ……あの日活躍したオレ様に、ツナ缶のご褒美かもしれねーんだゾ!」
エース
「いや、ツナ缶はねーわ」
ユウ
「グリムにご褒美……あの学園長がくれるかなぁ」
確かにグリム活躍したけど。
私は、残りのハムサンドを口に運ぶ。
グリム
「ふなぁ……オレ様のハムサンドが」
ユウ
「これは僕のですぅ」
いじけるグリムの頭を撫でてやりながら、私はふとさっきの男子生徒を思い浮かべた。
そういえば、あの人、どこかで会ったことがあるような……?
◇◆◇◆◇◆
【NARRATION side】
大食堂を後にしたラギーは、まっすぐ植物園へと向かい中へと入った。
ラギー
「レオナさーん」
自分をパシった本人を呼ぶ。
レオナは、植物園の奥、日当たりの良い位置に寝転がっていた。
ラギー
「レオナさん、昼飯買ってきたッスよ〜」
レオナ
「グルル………ん、もう昼か」
喉を鳴らしながら、レオナは目を覚まして起き上がる。
ラギー
「もしかして、午前中ずっと寝てたんスか?また必修単位落とすッスよ」
後輩の言葉は無視して、レオナはその場で「スンスン」と匂いを嗅ぎ取る。
レオナ
「……お、ちゃんと頼んだもん買えたみてぇだな」
ラギー
「もー。レオナさん、いっつも競争率高いパン頼むんだもんなぁ。……はい、ご注文のデラックスメンチカツサンドとアイスティー」
レオナ
「ばーか。手に入れるのが難しいからこそ食いたいんじゃねぇか」
レオナは満足そうに笑いながら、デラックスメンチカツサンドを口に運んだ。