【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第8章 【荒野の反逆者】前編
グリムを捕まえようとした先輩は、グリムが遠慮なく吹いた火によって追い払われる。
グリムは、先輩の顔や頭を足蹴に、どんどん前に進んでいき……
グリム
「どうだ見たか、オレ様の力を!このデラックスメンチカツサンドのラストワンは、オレ様のものだあ!」
列のルールを無視して、ついにはデラックスメンチカツサンドをもぎ獲ってしまった。
グリム
「にゃっはっは!あと、焼きそばパンとクリームパンも、オレ様のものなんだゾ〜〜!」
もうやりたい放題!
デュース
「こらグリム、いい加減にしろ!スンマセン先輩がた!」
私はグリムを捕まえて、食堂のゴーストさんにグリムが取ったパンの代金を払った。
ユウ
「またグリムのせいで絡まれる前に、早く離れよう」
エース
「あ、おじさん。オレは、ローストビーフとレタスの窯焼きサンドひとつね♪」
デュース
「お前もちゃっかり割り込んでるんじゃない!」
私がグリムを、デュースがエースを引っ張って、私達はパン争奪戦の波から離れた。
私の腕の中でグリムは、自分の腕の中のパンを見てニッコニコしてる。
ユウ
「グリム、次からはちゃんと列に並んでよ」
まぁ、列なんてあってないような混雑ぶりだったけどさ。
デュース
「僕たちも、自分たちの分を買いに行くか」
ユウ
「うん」
私は何食べよっかな……グリムがパン3個も買っちゃったから、なるべく安く済ませなきゃ。
エース
「パン購買のお陰で空いてるし、先に席取っとこうぜ」
ユウ
「あ、じゃあグリムに……」
エースたちの後ろについて、席に向かう途中……近くにいた男子生徒の声が聞こえてきた。
ラギー
「あっちゃ〜。昼飯争奪戦、完全に出遅れちゃったッスね。レオナさんに頼まれてたデラックスメンチカツサンド、もう売り切れてるじゃないスか」
先輩の為に買い出し……もしくはパシリかな?
私は「グリムのせいでごめんなさい」と、心の中で謝った。