【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第8章 【荒野の反逆者】前編
グリム
「どんなに抗っても眠気に負けちまう!」
デュース
「お前、授業が始まって5分で寝ただろう。全然抗えてないじゃないか」
ユウ
「今朝のやる気は続かなかったね」
まぁ、逃げ出さなかっただけ頑張ってる方だけど。
エース
「ひーるっめし〜何食べよっかな〜♪……って、あれ?なんか今日やたら食堂が混んでるな」
ユウ
「ん?本当だ」
いつもは何本にも別れてる行列が、今日は一ヶ所に集まってる。
食堂のゴースト
「今日は、月に一度のスペシャルデー!麓の街から大人気のベーカリーが出張営業中だよ!早い者勝ちの売り切れゴメンだ!」
ユウ
「月に一度の購買……なるほど」
それでこのランチタイムラッシュか。
ハーツラビュル寮生A
「オレ、チョコレートクロワッサン3つ!」
ハーツラビュル寮生B
「やった、今月は買えた!ここの卵サンド、マジで美味いんだ〜」
食堂のゴースト
「卵サンド売り切れました!デラックスメンチカツサンド、最後の1つでーす!」
あんなに人集りが出来てるんだから、相当美味しいってことだよね……
エース
「へー、どれも美味そうじゃん。オレも買ってこよっかな?」
デュース
「スゴい人気だな。ユウとグリムはどうする……あれ?」
デュースの「あれ?」という声を聞いて、私はバッと自分の足元を見た。
そこに、あるはずの姿がない。
ユウ
「グリムがいない!」
私はまさかと思って顔を上げ、目の前の人集りに目を凝らした。
グリム
「オラオラ〜〜!!テメェらどくんだゾ!デラックスメンチカツサンドはオレ様のものだ!」
購買の行列に突撃して、グイグイと人混みを掻き分けてる、グリムの姿を発見。
ハーツラビュル寮生A
「てめぇ、割り込みすんじゃねぇ!」
ハーツラビュル寮生B
「新入生の分際で、先輩の前に割り込むとは良い度胸だな!表出ろ!」
ユウ
「な……」
何やってんのあの猫!!!
ただ買うだけならともかく、先輩を押しのけて割り込むなんて!
デュース
「あいつ、食べ物のことになると我を忘れすぎだろ!」
エース
「あ〜あ〜」
ユウ
「グリム〜!ハウス!」
私は、グリムの元に向かおうと、人集りの中に入った。