【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第7章 【真紅の暴君】後編
パーティの度にああやって、色塗って戻してを繰り返してるのかな?
なんて私が考えてる間に、リドル寮長はこちらに戻ってきていた。
白薔薇を手に、リドル寮長は私の目を見つめてくる。
リドル
「……ユウ」
ずっとフルネームで呼ばれてたから、呼び捨てにされるのは初めてだな……
私は緊張からか、そんな何でもないようなことをぼんやりと考えた。
リドル寮長は、白薔薇を私に差し出して……
リドル
「どうか、ボクと……友達になって欲しい」
と、そう言った。
ユウ
「え……ええええ!?」
と、トモダチ?友達って……リドル寮長と私が!?
私は自分の耳を疑って、リドル寮長と白薔薇を何度も交互に見る。
リドル
「は、早く……返事をしてくれないか」
顔と髪の境目もわからないくらい、リドル寮長の顔は真っ赤っか。
白薔薇を差し出す手も震えている。
どうして私なんかと……って、考えることすら失礼な気がした。
ユウ
「わ……ぼ、僕で良ければ」
一瞬「私」と言いそうになりながら、私は……
ユウ
「よろしくお願いします」
リドル寮長の手から白薔薇を受け取った。
リドル
「!!!」
リドル寮長は明らかに驚いて、これでもか!ってくらい目を大きく見開く。
リドル
「いっ、いいのかい?」
ユウ
「もちろんです」
リドル
「ほ、本当に……!?」
なんか知らんけど、めっちゃ疑われてる……
ユウ
「リドル寮長こそ、良いんですか?」
私は、自分の手元の白薔薇に目線を落として話す。
ユウ
「僕は魔法が使えないし、大した学もありませんし、口だって悪いです。とても貴方と友人になれるような人間じゃ……」
リドル
「そんなことはない!!」
急にリドル寮長が声を大きくした。
リドル
「たとえ魔法が使えなくても、キミは強いじゃないか!ルールで縛り怒ることしかできなかったボクを、キミは叱ってくれた。オーバーブロットしたボクを前にして尚、キミは逃げなかった」