【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第7章 【真紅の暴君】後編
ユウ
「『感謝の気持ちは、相手の顔を見てしっかり伝える』……それが、人としてのルールじゃないですか?」
リドル
「うっ……」
リドル寮長は暫く無言になっちゃったけど、その後ゆ〜っくりとこちらを振り向いてくれた。
リドル
「あ……ありがとう」
私に向き直って改めて伝えてくれた……リドル寮長の頬は、赤く塗られた薔薇に負けないくらい赤くなってる。
リドル
「こ、これで良いだろう!?」
ユウ
「はい。どういたしまして!」
私が笑いながら答えると、リドル寮長は「フン」と顔を逸らしてしまった。
多分、ありがとうって言うの慣れてないんだろうな〜。
ユウ
「……僕も、リドル寮長に伝えたいことがあります」
私は、リドル寮長を見つめる。
ユウ
「僕は貴方に、とても酷いことを言いました」
リドル寮長が、驚いたような顔をして私を見る。
ユウ
「本当に、申し訳ありませんでした」
私は、リドル寮長に向かって深々と頭を下げた。
人形だなんて言ってしまったことを、こんな謝罪だけで許して貰えるとは思わないけど……
リドル
「や、やめてくれ……キミが謝ることは、何もないだろう!」
ユウ
「貴方を人形だと言いました」
リドル
「それは……ボクに怒っていたから出た言葉だろう。それに、キミの言葉は的を射ていたよ」
ユウ
「そういう話じゃないですよ……暴言を吐いたことには、変わりないんですから」
リドル
「とにかく!もう、気にしなくていいから……顔を上げてくれないか」
リドル寮長にそう言われて、私は頭を上げてリドル寮長に向き直った。
リドル
「暴言と言うなら、ボクもキミに酷いことを言った」
私は、リドル寮長に言われた言葉を思い出す。
さっきまで謝っておいて、こんなこと言うのはなんだけど……
ユウ
「親を貶されたことは、僕まだ許せてません」
リドル
「!」