【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第7章 【真紅の暴君】後編
チェーニャ
「おっと。それじゃ、タルトも食べたし俺は帰るとするかにゃ」
騒ぐハーツラビュルの人達を見て、チェーニャさんは魔法で自身の体を消した。
チェーニャ
「フーンフッフ〜ン♪フーンフッフ〜ン♪フ〜ンフフフーン♪」
ハーツラビュル寮生A
「あっ、逃げたぞ!」
ハーツラビュル寮生B
「追え追え〜!」
姿を消したチェーニャさんを、ハーツラビュルの人達がバタバタと追いかけて行く。
ユウ
「みんなどうしたんだろう?」
グリム
「なんか、急に殺気だったんだゾ」
他校の人が勝手に侵入してたら怒るのは当たり前だけど、それにしたって殺気立ち過ぎてたような……
リドル
「ナイトレイブンカレッジの生徒は、高確率でロイヤルソードアカデミーを敵視してるからね」
トレイ
「100年も延々負け続けてれば、そうもなるというか……」
ユウ
「なるほど……ライバル学校って、そういうことだったんですね」
姉妹校的な関係を想像してたけど、違ったみたい。
成績とか競ってたりするのかな?
ケイト
「まーまー!お祝いの日に、そんな暗い話はナシナシ!今日は『なんでもない日』のパーティを楽しもうよ」
ケイト先輩が、紅茶とタルトを手にウインクする。
ユウ
「そうですね」
それを見て、リドル寮長とトレイ先輩も表情を和らげた。
グリムが、テーブルの上に立って両手をあげる。
グリム
「にゃっはー!腹がはち切れるまでごちそうを食ってやるのだー!『なんでもない日』、バンザーイ!」
弾ける笑顔のグリム、それを見て呆れるエースとデュース。
グリムは頬がパンパンになるまで料理を詰め込んで、思いっきり喉に詰まらせた。
トレイ先輩が紅茶を飲ませて、グリムは何とか助かる。
ケイト先輩は、ずっと笑いながら写メを撮りまくってた。
リドル寮長がグリムに強めに注意してたけど、グリムは懲りずにまた料理を食べ始める。
グリム
「ユウも早く食わねーと、なくなっちまうんだゾ!」
ユウ
「うわぁ、待って!僕も食べるから!」
美しい薔薇に囲まれながら、私達は存分にパーティを楽しんだ。