【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第7章 【真紅の暴君】後編
ユウ
「エース1人でこんな綺麗に作る自信ある?」
エース
「ほっといて実食といきますか」
無視すんな!!
ケイト
「あっ、レアなタルトの写メ撮るから、切るのちょっと待って!」
パシャッ
ケイト
「はい、オッケー!」
スマホのシャッターを切り、ケイト先輩は満足そうに笑った。
エース
「先輩もマジぶれないよね……んじゃ、いただきまーす」
ユウ
「いただきます」
パクッ!と、みんなそれぞれリドル寮長の苺タルトを口に運ぶ。
グリム
「はぐっ!」
デュース
「……ん!?」
トレイ/ケイト
「こ、これは……」
苺の甘酸っぱい香りが鼻に抜けて……
「「「「「「しょっぱい!!!!!」」」」」」
とんでもない塩っぱさが口いっぱいに広がった。
リドル
「えぇっ!?」
ユウ
「〜〜〜んっく!!……プハァッ」
むせ返りそうになるのを根性で我慢して、私はなんとか口の中のタルトを飲み下した。喉が痛い。
エース
「なんだこりゃ!?ォエッ、めちゃくちゃしょっぱい!何入れたらこうなるワケ!?」
リドル
「厳密に材料を量って、ルール通りに作ったはずなんだ」
ユウ
「もしかして、塩と砂糖を間違えたとか……」
リドル
「ボクがそんな間違いをすると思うのかい!?」
ユウ
「す、すみません……そうですよね」
リドル寮長がそんな古典的な間違いするはずないか……失礼なこと言っちゃった。
リドル
「あ……ち、違う!別にボクは怒ったわけじゃ……」
リドル寮長が、慌てたように弁解する。
そんな中で、何か思い出したように「あっ!」と声を上げた。
リドル
「もしかして……オイスターソースを入れたから?」
ユウ
「えっ」
オイスターソースってまさか……
デュース
「ゲホッ……もしかして、クローバー先輩が冗談で言ってたセイウチ印の?」
リドル
「だってトレイが昔、レシピには載ってないけど美味しいタルトには絶対隠し味でオイスターソースが入ってるって……」
ユウ
「信じて入れちゃったんですか!?」
どんだけ真面目なのこの人!