【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第7章 【真紅の暴君】後編
リドル
「やるからには完璧に、だよ。いいパーティにするためにも、手抜きは許さないからね。…フフッ」
リドル寮長は前に比べてかなり優しくなってると思うけど……確かに、前と同じ厳しさもある。
ユウ
「エース、ハートの女王の説明してくれた時『優しいだけの女王なんてみんな従わない』って言ってたじゃん」
エース
「う……いや!それとこれとは話が違えだろ」
ユウ
「違くないよ。それに僕は、真面目なのも厳格なのも、リドル寮長の良いところだと思う」
エース
「えぇ〜、そうかぁ?」
ユウ
「少なくとも、不真面目でサボり魔な誰かさんよりずっと良いよね」
エースがムッとした表情を浮かべる。
エース
「あ、そー。そういうこと言う?」
ユウ
「僕は事実を言っただけだから」
エース
「お前、今のオレが魔法使えるってこと忘れてるだろ」
ユウ
「え!?」
まさかと思ってエースを見ると、エースは薔薇ではなく私にマジカルペンを向けていた。
ユウ
「ちょっ!待っ」
焦る私を見て、エースがニヤリと笑う。
そして、私に向けてマジカルペンを振った。
ビュルルル!
ユウ
「ぶわあぁぁ!?」
エースお得意の風魔法で、私の顔面に容赦なく強い風がぶつかってくる。
私は、目を瞑って吹っ飛ばされないように踏ん張るのが精一杯で、風が止むまでなんとか堪えた。
ユウ
「もう!やめてよ!!」
エース
「ブフッ…お前、それ……あははははっ!」
私のボッサボサになった髪を見て、エースが大笑いする。
こ、この野郎……!
リドル
「そこ!何を騒いでいるんだい!?真面目にやらないか!」
エース
「ヤベッ……」
ユウ
「す、すみません!」
エースのせいで私まで怒られた!
私は、薔薇の色塗りを再開しながら、エースを睨む。
ユウ
「……エースの馬鹿」
エース
「聞こえねーなー」
最近は素直だなって思ってたけど、やっぱりエースは意地悪な奴だと再認識した。