【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第1章 【WelcomeToTheVillains'World】前編
グリム
「こんな雨漏り、魔法でパパーっと直しちまえばいいんだゾ。……って、オマエ魔法使えねえのか。ププーッ!使えねえヤツだゾ!」
ムカッ
ユウ
「そこまで言うなら、手伝ってよ」
グリム
「え?手伝えって?」
ユウ
「グリムは魔法が使えるんでしょ?パパーっと直してくれても……」
グリム
「やーなこった!オレ様は、ちょっと雨宿りしてるだけの他人(他モンスター)なんだゾ。ツナ缶も出ないのに、タダ働きするのはゴメンなんだゾ」
ユウ
「ケチ」
しょーがない、バケツもう一個ないか探しに行くか……
◇◆◇◆◇◆
ユウ
「うわ、廊下も埃と蜘蛛の巣すごいな……ここも掃除しなきゃ」
ギィ……
ユウ
「?」
何の音?……風で家鳴り?
音のした方に視線を向けて、その後前に戻した──
ユウ
「!!!!!」
そこには、さっきまでは無かったはずの白い物体が浮かんでいた。
???
「ひひひひ………イッヒヒヒヒ…………」
顔があるのに足がない……
???
「ひさしぶりのお客様だあ〜……」
青白い体は向こう側が透けて見える……
???
「腕が鳴るぜぇ〜」
これは、これは……
???
「イーッヒッヒッヒ!」
ユウ
「ギャーーーーーーーー!!」
幽霊だーーーーーーーー!!
私の絶叫を聞いてか、グリムが談話室からやってくる。
グリム
「何を大騒ぎしてん………ギャーーーーーー!!!おおお……お化けえええええ!!!」
ユウ
「グリム!」
ゴーストA
「ここに住んでた奴らは、俺達を怖がってみーんな出ていっちまった。俺達ずっと新しいゴースト仲間を探してたんだ。お前さん、どうだい?」
ユウ
「ヒッ!た、助けて!」
思わず私は、グリムに助けを求めた。
グリム
「うううっ、ううーーっ!」
ああ〜、グリムも怖がってるっぽい!
グリム
「大魔法士グリム様は、お化けなんか怖くないんだゾ!!!ふんな゙〜〜〜〜〜〜っ!!」