【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第7章 【真紅の暴君】後編
──数日後
私とグリムは、再びハーツラビュル寮に足を踏み入れた。
今日は、『なんでもない日』おめでとうパーティの日!
前の時と同じように、トランペットとバスドラムの音が鳴り響く。
ハーツラビュル寮生A
「我らがリーダー!赤き支配者!リドル寮長のおなーりー!」
ハーツラビュル寮生たち
「リドル寮長、バンザーイ!」
寮生たちが歓声をあげる中、リドル寮長がパーティ会場に立った。
リドル
「うん。庭の薔薇は赤く、テーブルクロスは白。完璧な『なんでもない日』だね」
ハーツラビュルの人達にとっては何度も繰り返し見てきた光景だけど……今日は、今までのパーティとは違う。
リドル
「ティーポットの中に眠りネズミは……って。いや、いなくてもいいか」
トレイ
「そんなに急に変えなくたっていいさ。ジャムは、ネズミの鼻に塗らなくたって、スコーンに塗ればいい。『絶対ないとダメ』じゃなくて、『あったっていい』にしていけばいいだけだろ?」
リドル
「うん、そうだね」
トレイ先輩の言葉に、リドル寮長は柔らかく微笑んだ。
今日は、今までのパーティとは違う……
今日は、『なんでもない日』おめでとうパーティ“リベンジ”の日!
グリム
「いよいよパーティなんだゾ!」
ユウ
「グリム、ずっと楽しみにしてたもんね」
かくいう私も、楽しみにしてたんだけど!
エース
「はーぁ。結局庭の片付けとか、今回の準備とか、全部オレらがやらされたんだけど?」
デュース
「まあまあ。寮長の体調も何事もなく回復したわけだし」
ユウ
「うん……本当に良かった」
私はリドル寮長の方に顔を向け、寮服を纏って堂々と立つその姿を見つめた。
あの後、リドル寮長はフェイン先生の治療を受けて、数日寮で安静にすることで、無事に回復することが出来たらしい。
ケイト
「お庭にフォトジェニックな飾り付けもできたし、オレ的には大満足♪」
ちなみに私の腕の傷も、数日で塞がって跡も残らなかった。
グリム
「うーっ!早く料理が食べたいんだゾ!」
ケイト
「オッケー♪ではさっそく……」
リドル
「ちょっと待って!」