【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第7章 【真紅の暴君】後編
デュース
「聞いた?何をだ?」
ユウ
「ケイト先輩が……」
ケイト
「あーあー!ユウちゃん、ダメ!!それ言ったらダメなヤツだから!!」
照れなくても良いのに。
私は先輩を立てて口を閉じたけど、顔がにやけるのは止められなかった。
ケイト
「何その顔〜……先輩をからかうなんて、ユウちゃんってば悪い子!」
ユウ
「何とでも言ってください。僕は今、ケイト先輩のお陰で幸せ気分なので!」
ニヤつきが治まるのを待ってから、私は改めてケイト先輩を見つめた。
私も、ちゃんと言わなきゃ……
ユウ
「ケイト先輩」
ケイト
「ん……なぁに?」
あ……ケイト先輩、なんか拗ねてる?
ニヤニヤ笑い過ぎたかな……
ケイト先輩の様子は気にしないようにしながら、私はエース達の方にも目を向ける。
ユウ
「エース、デュース、グリム」
「「「?」」」
私は、みんなの顔を見回して、ニッと笑った。
ユウ
「助けてくれて、ありがとう」
みんなが居なきゃ、リドル寮長やバケモノを倒すことは出来なかった……
私だけじゃ、怖くて立ち向かうことすら出来なかった……
みんなが居たから、リドル寮長を止めることができたんだ。
デュース
「あ、ああ……」
エース
「ユウ、お前……本っ当、そういう恥ずいこと平気で言うよな!」
グリム
「もっとオレ様に感謝しろ!晩メシにツナ缶を寄越すんだゾ」
グリムはいつもの調子だけど、エースとデュースはほんのり顔が赤かった。
ユウ
「照れた?照れた?」
エース/デュース
「照れてねえ!」
めっちゃ照れてるじゃん。可愛いな〜!
ケイト
「ユウちゃん、今の笑顔マジヤバ!ねねね、もっかい笑って見せてくれない?写メ撮らせて!」
ユウ
「えー、マジカメにアップされるのは嫌です」
ケイト
「アップしなきゃもったいないって!」
私の笑った顔なんて撮ったって、面白くもなんともないのに……あ、ケイト先輩も照れ隠しかな?
なんてことを考えながら、私はみんなと一緒に庭の片付けを始めた。