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【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!

第7章 【真紅の暴君】後編


ケイト
「そんじゃ、オレたちはまず、お庭の片付けといきますかぁ」


ケイト先輩の声に現実に引き戻され、私は「そうですね」と頷いた。


ケイト
「折角のフォトジェニックなお庭がボロボロだよぉ……とほほ」


地面には引き抜かれた薔薇の木が散乱し、バケモノが暴れたことで凹んでしまった箇所もあり、芝生が捲れてしまった所もある……無事そうな薔薇も土埃をかぶってる。


空気の濁りがなくなっても、美しかった薔薇園は散々な有様だった。


これ全部片付けるのは、かなり大変そう……


トレイ
「俺も手伝う」


ケイト
「トレイは、リドルくんを医務室に運んできて」


リドル寮長は、トレイ先輩に支えられてなんとか立ってはいるけど、その顔は青白く、苦しそうに見える。


ケイト
「……オーバーブロットしちゃったわけだし、一度先生に診せたほうがいい」


クロウリー
「ダイヤモンドくんの言う通りです。私も付き添いましょう」


トレイ
「……はい。ありがとうございます」


ユウ
「学園長はこっち手伝ってくれても良いんですけど……」


クロウリー
「ゴホン!さあさあ、行きますよ。クローバーくん、ローズハートくん」


あ、逃げた。


トレイ先輩達を見送った後、私は庭の片付けを始めようと袖をまくった。


ケイト
「ユウちゃん……」


ユウ
「?」


ケイト先輩が、私の左腕を掴んで目を落とす。


ケイト
「ユウちゃんも思いっきり怪我してるじゃん!」


あ、そうだった。


ユウ
「薔薇の刺がかすっただけなんで、大丈夫ですよ」


ケイト
「いやいや、かすり傷でもなめちゃダメだって」


ユウ
「でも、片付けもありますし……」


ケイト
「う……じゃあ、せめて傷口を拭くだけでも、ね?」


ここで「片付けはオレたちに任せて!」って言わないのが、なんともケイト先輩らしい。


ケイト先輩は、私の腕を離すとハンカチを取り出して、反対の手にマジカルペンを持った。


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