【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第7章 【真紅の暴君】後編
ユウ
「リドル寮長……」
リドル寮長が謝った……謝ってくれた。
エース
「………」
今回一番怒ってたエースは……意外にも、不機嫌な様子はなく真面目な顔。
エース
「オレ、寮長が今までの行動を謝ってくれたら、言おうと思ってたことがあんスけど……」
ユウ
「?」
何だろ……
エース
「──ゴメンの一言で済むわけねーだろ!絶ッッ対許してやらねーーー!!!!」
と思ったら一変、眉間にビッチリシワを寄せて怒鳴り散らした。
ユウ
「えええええ!?!?」
ケイト
「この空気でそれ言う!?」
エース
「ったりめーだ!こっちは散々コケにされたわけだし?折角苦労して作ってきた手作りマロンタルトを捨てられそうになるわ、ユウはトレイ先輩に殴られるわ……」
ユウ
「僕のことはもう良いって言ったじゃん!」
エース
「全っ然良くねーっ!涙ながらに謝られたくらいじゃ許せねーなぁ」
グリム
「コイツ、オレ様より根に持つタイプなんだゾ」
そりゃ、エースにだって怒る権利はあると思うけど……だからって、泣いて謝ってる人にそこまで言うかね!?
本当に空気読まないな、この爆発頭!
リドル
「そんな……じゃあ、どうすれば……」
すっかり怒られモードのリドル寮長を、エースはじっと見つめる。
エース
「……オレ、しばらくは誕生日じゃないんだよね」
デュース
「は?お前、何を言って……」
エース
「だから、『なんでもない日』のパーティのリベンジを要求する」
ユウ
「パーティのリベンジ……」
なるほど、エースの言いたいことがわかったかも……
エース
「オレたち、結局パーティに参加できてねーし。そんで今度は、お前がタルトを作って持って来いよ。……あっ、トレイ先輩に手伝ってもらうのはナシだから!自分で苦労しろ!」
ユウ
「!?」
エース
「そしたら、許してやらないことも、ない」
タルト作らせるところは予想当たったけど……嘘でしょ……