【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第7章 【真紅の暴君】後編
エース
「庭は滅茶苦茶だし、こっちもヤバいとこだったんだからな!」
デュース
「確かに、ヤバかったな」
グリム
「まったく。ストレスを溜めるとろくなことがねぇんだゾ」
リドル寮長が、ゆっくりと立ち上がる。
リドル
「……………ボク………本当は、マロンタルトが食べたかった」
エースの方を見ながら、リドル寮長はそう言った。
エース
「へっ?」
リドル
「薔薇は白だっていいし、フラミンゴもピンクでいい。お茶に入れるのは角砂糖より蜂蜜が好きだし、レモンティーよりミルクティーが好きだ」
吐き出すように話すうち、リドル寮長の目には涙が溜まっていく。
リドル
「みんなと、食後のおしゃべりだってしたい……」
トレイ
「リドル……?」
これが、リドル寮長の本心……?
リドル
「ずっと、もっとトレイたちと、遊びたかった………う、うう……うううっ……わぁあああん!」
堪えていた涙が堰を切ったように、リドル寮長は泣き始めた。
ケイト
「うっそ……あのリドルくんがギャン泣きしてる……」
エース
「おいこら!泣けば許されると思うなよ!」
ユウ
「シャラップ!!」
ドスッ
エース
「オブッッ!!??」
私は、エースの脇腹にチョップをお見舞いしてやった。
脇腹を押さえて身悶えるエースを見て、デュースがやれやれと首を横に振る。
デュース
「お前も、たいがい空気読まないな……」
ユウ
「本当にね!」
ボロボロと涙を零すリドル寮長を見つめ、トレイ先輩がその背中を撫でる。
トレイ
「俺も悪かった。お前が苦しんでるの知ってたのに、ずっと見ない振りをしてた」
リドル
「うっうっ、うう……」
トレイ
「だから、今日は言うよ」
トレイ先輩は、そっとリドル寮長の背中を押した。
トレイ
「リドル、お前のやり方は間違ってた。だから、みんなにちゃんと謝るんだ」
リドル
「……うっ、ぐす……ごめんなさい……ごめんなさい……っ!」