【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第7章 【真紅の暴君】後編
ユウ
「もう、痛くないです。腫れも引きました」
ケイト
「良かった〜!ね、トレイくん?」
トレイ
「ああ……」
トレイ先輩の表情が少し柔らかくなるのを見て、私も少し安心した。
トレイ先輩は優しい人だから、ちゃんと「大丈夫」と伝えないと、いつまでも心配させてしまいそうな気がする。
ケイト
「も〜、ユウちゃんの顔に傷とか残ってたらどうしようかと思った……トレイくんが心痛で病んじゃうところだよ」
ユウ
「ははは……」
……マジであり得そうで怖い!
ユウ
「も、もう……仲直りも、しましたから!ね!?」
トレイ
「!あ、ああ、そうだな」
トレイ先輩を罪悪感で引かせない為に、私は強めに念を押しておく。
ケイト
「あ、それと……ユウちゃん、今日はオレの時みたいに、闘いに横から指示を出したりとかしちゃダメだからね」
ユウ
「はい……わかってます」
一緒に戦えないのは歯痒いけど……作戦はもう、昨日のうちに伝えてある。
学園長が、「ゴホン」と咳払いをした。
それを聞いて、私達はエース達の方を見る。
クロウリー
「これより、ハーツラビュル寮の寮長の座をかけた決闘を行います」
エース、デュース、リドル寮長の3人が、中央に立って向かい合う。
クロウリー
「挑戦者は、エース・トラッポラ。そして、デュース・スペード。挑戦を受けるのは、現寮長であるリドル・ローズハート」
3人も、他のハーツラビュルの人達も、寮の正装である寮服を身に纏っていた。
クロウリー
「では、決闘の掟に従い、挑戦者のハンデである魔法封じの首輪を外してください」
学園長に言われて、リドル寮長が軽く手を振る。
すると、エースとデュースの首から首輪が外れて、首輪は光の粒となって消滅した。
エース
「あー、やっと首輪が外れた!」
自分の首をさするエースとデュースに、リドル寮長は冷たい目を向ける。
リドル
「どうせすぐまた付けられることになるんだ。つかの間の解放感を味わうといい」