【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第7章 【真紅の暴君】後編
ケイト
「エースちゃんとデュースちゃんが、寮長の座をかけてリドルくんに決闘を挑むって!?マジで言ってんの?」
信じられないといった様子のケイトに、トレイは首肯する。
トレイ
「俺も止めたんだが……」
ケイト
「ったく、無謀なことすんなぁ〜」
ケイトは、問題の1年生たちを思い浮かべ、やれやれと首を横に振る。
ケイト
「……面倒なことにならないといいけど」
トレイ
「ああ……」
2人はそれ以上は何も言わず、他の寮生たちと同じく薔薇の迷路へと向かって行った。
◇◆◇◆◇◆
【HEROINE side】
エースとデュース、グリムと私の4人は、3日ぶりのハーツラビュル寮へ足を踏み入れた。
決闘の場である、薔薇の迷路に向かう。
そこには、既に学園長やトレイ先輩達……リドル寮長の姿もあった。
リドル
「………」
エース達と一緒にいる私の存在に気付いて、リドル寮長は怖いくらいに目を鋭くする。
ユウ
「……!」
睨まれたのは一瞬だけだったけど、私の緊張を増長させるには充分だった。
グリム
「ひぇ……アイツ、目がめちゃくちゃとんがってたんだゾ」
ユウ
「ハァー……」
深く息を吐いて、少しでも気を落ち着ける。
リドル寮長、やっぱり私にも相当怒ってるよね……
暴言吐いた上パーティをめちゃくちゃにしたんだから、当然だけど……
ユウ
「これは……エース達が負けたら、僕達も危ないかもね」
グリム
「こっ、コワいこと言うんじゃねぇゾ!」
その時、ポンと誰かが私の肩を叩いた。
驚いて振り向くと、そこにはケイト先輩とトレイ先輩がいる。
ユウ
「あ……」
ケイト
「ユウちゃん、怪我は大丈夫?トレイくんに殴られたとこ、もう痛くない?」
私が何か言う前に、ケイト先輩にグッと顔を近づけられた。
ユウ
「だっ、大丈夫です!」
ケイト先輩の表情が真剣なものに見えて、私は思わずドキッとする。