【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第7章 【真紅の暴君】後編
リドル
「キミたちがボクに決闘を挑むと聞いて、耳を疑ったよ。本気で言ってるのかい?」
エース
「当たり前じゃん」
デュース
「冗談で決闘を挑んだりしません」
リドル
「……フン。まあいいや。それじゃあ、さっさと始めよう」
ケイト先輩が、私とトレイ先輩より一歩前に出た。
ケイト
「リドルくん、今日の午後のお茶の用意はどうする?」
リドル
「愚問だね。ボクのお茶の時間は毎日キッカリ16時とルールで決まってる」
お茶の時間まで法律で決められてるの!?
ケイト
「でも、もう15時半を過ぎてるけど……」
リドル
「ボクが遅刻をすると思うのか?どうせ、すぐ決着がつく」
また一瞬だけ、リドル寮長が私を見る。
私は目を逸らさず、ただ見つめ返した。
ケイト
「………」
リドル寮長が、エースとデュースに向き直る。
リドル
「そういうわけで、ボクには時間がない。1人ずつ相手をするのも面倒だ。2人纏めてかかっておいで」
ユウ
「!」
2人纏めて、か……
ハーツラビュル寮生たち
「いいぞー!寮長!軽く捻っちゃってくださーい!」
リドル寮長の宣言に、ハーツラビュルの人達は盛り上がる。
アウェーな空気が広がる中、私はギュッと手を握り込んだ。
トレイ
「………」
デュース
「随分と言ってくれるな」
グリム
「カ〜ッ!カンジ悪いんだゾ!」
エース
「こっちだって、作戦くらい立ててきてるっつーの!」
そう……作戦のことを考えれば、これは良い展開だよね。
1対1じゃ敵うわけないし……というか、2対1の作戦しか立ててないし(阿保)
ユウ
「エース、デュース……」
頑張れ
それは言葉にせず、私は口を閉じた。
グリム
「絶対に勝つんだゾ……」
グリムも、気を遣って小さな声で呟く。
本当は大声で応援したいけど……2人の集中を、邪魔するわけにはいかない。
リドル
「学園長、開始の合図を」
クロウリー
「私が投げたこの手鏡が、地面に落ちて割れるのが、始まりの合図です」