【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第7章 【真紅の暴君】後編
【HEROINE side】
ユウ
「…………」
夢から目を覚ました私は、ぼーっと天井を見上げる。
3度目の不思議な夢は、目覚めた今でも胸を騒つかせていた。
ユウ
「……女王様……」
ハートの女王……
ユウ
「あなたは何故、あんなおかしな法律を作ったんですか……」
独り言を呟いて、私はゆっくりと起き上がった。
その時、外から部屋の扉が開かれる。
グリム
「ユウ〜!おっ、もう起きてたんだゾ」
ユウ
「グリム……おはよう」
今日は珍しく、グリムの方が早起きだったみたい。
グリムに続いて、エースとデュースも部屋に入ってきた。
エース
「今日は決戦日だ!さ、行こうぜ」
ユウ
「朝からやる気満々だねぇ……普通に授業もあるって忘れてない?」
エース
「野暮なこと言うなよな」
ユウ
「ごめんごめん。……すぐ準備するね」
図書室で覚悟を決めた日から2日経った今日は、エースとデュースがリドル寮長に決闘を挑む日。
デュース
「ユウ、大丈夫か?顔色が悪いように見えるが……」
ユウ
「大丈夫大丈夫……ちょっと、緊張してるだけだよ」
ヒラヒラと手を振りながら、私はデュース達を心配させないように笑って見せた。
闘うのは2人なんだから……私ばかり、不安がっていられない。
ユウ
「……大丈夫」
もう一度、今度は自分に呟いた。
◇◆◇◆◇◆
【NARRATION】
同日-放課後
ハーツラビュル寮では、今日行われる決闘について、既に噂として寮生に広まっていた。
ハーツラビュル寮生A
「おい、聞いたか?ローズハート寮長に決闘を挑む奴がいるらしい」
ハーツラビュル寮生B
「“あの”寮長に?正気とは思えねえな。5秒で首をはねられて終わりだろ」
ハーツラビュル寮生C
「でも寮長就任以来、初の挑戦者だ。久々の決闘、見に行こうぜ!」
寮生たちは、決闘が行われる薔薇の迷路へ、続々と向かって行く。