【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第7章 【真紅の暴君】後編
クロウリー
「なるほど、そんなことが……首輪を外してくれと謝るのも嫌だけど、穏便に寮長を説得できる気もしない、と」
エース
「まあ、そんなとこ」
学園長は、やれやれと首を横に振りながら、トレイ先輩の方を見る。
クロウリー
「まったく……クローバーくんも短慮なことをしましたね。後輩に暴力を振るうなど、言語道断ですよ」
トレイ
「申し訳ありません……」
ユウ
「トレイ先輩は、悪くありません!トレイ先輩が止めてくれたのに、暴言をやめなかった僕が悪かったんです」
クロウリー
「まあ事情が事情ですし、ユウくんもこう言っているので、今回は罰等は無しとしますが……今後このようなことはないように、お願いしますよ」
トレイ
「はい」
トレイ先輩はお咎め無し、それを聞いて私はほっと息を吐き出した。
良かった……
エース
「………」
クロウリー
「さて、次にトラッポラくんとローズハートくんの問題ですが」
学園長は、顎に手をやって考える素振りをする。
クロウリー
「そうですねぇ。そんなに寮長とウマが合わないというのなら、転寮するという選択肢もありますが」
ユウ
「転寮って制度あるんですね」
てっきり、寮は変えれないものだと思ってた。
クロウリー
「ええ。ただし、今の寮は魂の資質によって闇の鏡が選んだものですから、変えるとなると、かなり面倒な手続きや儀式が必要になりますよ」
エース
「転寮かぁ」
チラッと、エースが私を横目で見てくる。
まさか……
ユウ
「オンボロ寮はダメだからね!?」
エース
「えー」
ユウ
「唇尖らせてもダメ!」
オンボロ寮にグリム以外の寮生迎えたら、絶対に女だってバレる!
ユウ
「それに!その、転寮は、最終手段にしたほうがいいと思う」
エース
「まあ確かに、転寮したらアイツに負けて逃げてるカンジがして、スッキリしねぇなあ」
クロウリー
「ふむ。ではローズハートくんに決闘を申し込んで、君が寮長になっちゃえばいいんじゃないですか?」