【TWISTED-WONDERLAND】夢物語ヒロイン!
第7章 【真紅の暴君】後編
トレイ先輩はリドル寮長に優しかったけど、それがリドル寮長の為になっていたかは……
トレイ
「………」
デュース
「お、おい……エース!」
エース
「それとも何?アンタも、首をはねられるのが怖くて黙ってるって?」
挑発するように、エースはトレイ先輩を嘲笑う。
エース
「ダッセえな!!何が幼なじみだ。そんなん、ダチでもなんでもねえわ!」
ユウ
「エース──」
クロウリー
「コラ!君たち!図書室では静かにー!!!」
図書室に、馬鹿デカい声が響き渡った。
私は思わず耳を塞いで、声の主の方を見る。
声だけでわかったけど、そこには怒った様子の学園長が立っていた。
グリム
「アンタが一番声でけぇんだゾ」
本当にね。
クロウリー
「おっと、失礼。ゴホン。まったく、図書室は静かに勉学や読書に勤しむところですよ」
ユウ
「すみません……えっと、学園長はどうしてここに?」
クロウリー
「ユウくんが故郷に戻る方法について調べに来たんですよ。ちゃんと忘れていませんとも」
ユウ
「!学園長……」
感動する私の様子を見て、学園長は満足そうな笑みを浮かべる。
クロウリー
「私、優しいので。やはり調べ物といえば図書室ですからね」
学園長、ちゃんと私のこと考えてくれてたんだ……
クロウリー
「別に新しく入った小説の続きが気になって、誰よりも早く借りにきたわけではありませんから」
ユウ
「うオイ!!」
私の感動を返せ!!!!
クロウリー
「オッホン。ところで、みなさんお揃いで険しい顔をして、どうしたんで……」
学園長が、私の顔をジッと見てくる。
ユウ
「?」
クロウリー
「あなたたち……まさか、寄ってたかってユウくんをイジメてるんじゃないでしょうね!?」
「「「「ええっ!?」」」」
ユウ
「あ!」
学園長は、私の湿布を貼った頬と涙の痕を見て、勘違いしたんだ。
ユウ
「ご、誤解です!!」
グリム
「オレ様たち、ユウをイジメてなんかないんだゾ!イジメたのはトレイだ!」
デュース
「こら!グリム!」
私達は、学園長の誤解を解くために、ハーツラビュル寮での出来事を説明した。